2016年5月15日日曜日

N響第1835回 定期公演 Aプログラム

2016-05-15 @NHKホール


尾高忠明:指揮
NHK交響楽団
チック・コリア&小曽根真:ピアノ*

武満徹:波の盆(1983/1996)
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲変ホ長調K365*
エルガー:変奏曲「謎」作品36
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アンコール
チック・コリア:スペイン*


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モーツァルト2台のピアノのための協奏曲。
ナマでは初聴き。
面白いのは、独奏ピアノが2人共ジャズの大御所。チック・コリアと小曽根真ときている。N響も随分大胆なことをやってくれるよ。

とは言っても、オケもピアノも楽譜どおりにモーツァルトを演奏する。ひょっとして部分的に気が付かないくらいのアドリブを混ぜていたかもしれないが、要するに気が付かない。
しかし、第1楽章終盤と第3楽章のカデンツァは、このためにジャズピアニストが呼ばれたのだろう、モダンなモーツァルトに変貌して面白かった。カデンツァといっても予め譜面に起こされたものではなく、チック・コリアのモチーフによる即興演奏だったようだ。

熱狂的歓呼に応えたアンコールはチック・コリアの作品「スペイン」。本来はピアノソロ用なのだろうが、ここでは当然ピアノデュオだ。これがいい!


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何を隠そう、僕はチック・コリアファンといえる程でもないが、昔から好きなピアニストだ。初めて聴いたのが「Piano Improvisation 1」というLPの最初のトラックに収められていた「Noon Song」。
初発が1971年だから僕がオーディオ・ショップで聴いたのも70年代だったのだろう。40年以上前だ。ピアノソロが実に美しい。また、録音が良いのも魅力で、すぐLPを購入した。
その後LPは処分してしまったが、CD復刻版を見つけて購入した。ジャズの分野で1人のアーティストのCDを4枚も所有しているのはチック・コリアだけだ。
そんな訳で、ようやくチック・コリアをナマで聴くことが出来たのも感慨無量だった。「スペイン」という作品は初聴きだったが、部分的に「Noon Song」ぽいフレーズ、チック・コリア節が再三登場した。

小曽根真もノリの良い人で、2人の丁々発止の即興演奏は素晴らしかった。
客席の熱狂ぶりも、この日はクラシックコンサートとも思えぬ盛り上がりだった。


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後半尾高忠明得意のエルガー「謎(エニグマ)」も良かった。ナマで全曲聴いたのは初めて。神奈川フィルのみなとみらい定期3月にやはり尾高忠明の指揮で英国音楽を取り上げた際のアンコールがこの「謎(エニグマ)」の第9変奏「ニムロッド」で、これは心を洗われるような美しさだ。


2016-067/♪NHKホール-04