2023年5月21日日曜日

読売日本交響楽団第126回横浜マチネー名曲シリーズ

2023-05-21 @みなとみらいホール



鈴木優人:指揮
読売日本交響楽団
ミシェル・カミロ:Pf*

モーツァルト: 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
カミロ:ピアノ協奏曲第2番「テネリフェ」*日本初演
モーツァルト:交響曲第28番ハ長調 K220
ラヴェル : ボレロ
----ENC----------------
チック・コリア:スペイン*
ガーシュイン:アイ・ガット・リズム*


4本立て。うち2本はモツ作品だが、残りは現代作(日本初演)とラヴェルの「ボレロ」…ってどういうコンセプトなのか?

全部、楽しめる演奏だったが、4本は多かったな。
モーツァルトは1曲にして2曲目にラヴェル、休憩後Pf協奏曲でEnc付き、というのが、満足度を高める構成だったのではないか?

4曲の弦の編成はいずれもVn1-Vn2対抗配置で10型⇒12型⇒10型⇒12型とステマネが大忙し。ならばいっそ4曲目のラヴェルは14か16型に拡大すれば良かったのに。

…という疑問はあったが、演奏は素晴らしい!

先ずは「ドン・ジョヴァ」の冒頭のtuttiの重厚な管弦の響に惹き込まれて、さすが読響と大いに感心した。前日、同じホールの似たような席で日フィルを聴いて、その響がまだ少し頭に残っているような状態だったが、この両日の両オケの響に限れば、明らかに読響が強くて美しい。コレコレ!こういう音を聴きたいのだよ!

ミシェル・カミロという作曲家・ピアニストについて何にも知らなかった。現代最高峰のジャズピアニストとプログラムに書いてある。
彼の自作自演によるPf協奏曲第2番がもう圧倒的だった。
現代音楽には違いないけど、ほぼ、ジャズと言っていいのか?
独奏Pfのみならず管弦打の全パートがリズムセクション化したような激しい調子でワクワクさせる。変拍子だらけ?で演奏は極めて難しそうだったが、オケは乱れない。特に管楽器の切れ味の良さが見事。
オーケストレーションの巧さも感じた。

演奏時間は30分近い大作だったが、なんとその後のEncが半端ではない。チック・コリアとガーシュインの作品だったが、原曲とは相当離れていたのではないか?
超絶技巧でPfをガンガン叩きつけるので、Pfが壊れはしないかと思ったよ。
1曲目だけで相当長かったし、もうたらふく状態だったが、2曲目も長尺で、もうこれ以上は結構でございます。
すごいピアニストがいるものだ。

以上が前半で、その濃厚な事。


後半は、モツ交響曲28番が珍しく、生では初聴き。激しい音楽の後に一服の清涼剤の如し。

最後の「ボレロ」。
14型以上の編成で聴くことが多いが、今日は12型。
これがスッキリクッキリで良い。冒頭のスネアは聴こえないくらいの弱音でスタート。次に最初の旋律がFlだが、その音が大きすぎることがしばしばだ。スネアに匹敵するような弱音は難しいのだと思うが、今日の読響のお姉さんは消え入りそうな弱音で入った。その後もあのリズムのタンギング?も巧いものだなと感心しつつ聴いた。

今日は、久しぶりにナマ管弦楽を聴く喜びを満喫した。

♪2023-087/♪みなとみらいホール-19