2019-11-13 @新国立劇場
ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」
全3幕〈イタリア語上演/字幕付〉
予定上演時間:約2時間25分
第Ⅰ幕〜第Ⅱ幕 80分
--休憩25分--
第Ⅲ幕 40分
指揮:コッラード・ロヴァーリス
演出:ステファノ・ヴィツィオーリ
美術:スザンナ・ロッシ・ヨスト
衣裳:ロベルタ・グイディ・ディ・バーニョ
照明:フランコ・マッリ
演出助手:ロレンツォ・ネンチーニ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団
ドン・パスクワーレ⇒ロベルト・スカンディウッツィ
マラテスタ⇒ビアジオ・ピッツーティ
エルネスト⇒マキシム・ミロノフ
ノリーナ⇒ハスミック・トロシャン ほか
「ドン・パスクワーレ」は、物欲・色欲の爺さんが若者にいっぱい食わされる喜劇として受け取られている向きがある。
そのようなつもりで観ていたか、僕の周りには前半呑気な笑いが広がっていたが、フン、最後まで笑ってられるかなと冷たい目で見ていたところ、終盤は、やはりみんな笑えない。
そうだ。本当は、これは気の良い老人を思いやりのない若者が虐待する話なのだから。
瑕疵のある物語が無理矢理の大団円でねじ伏せられるオペラは少なくない。これもその一つ。愈々ドン・パスクワーレを同じくらいの年齢として見ると切なくなってくる。
ま、歌劇鑑賞としてはそこんところは置いておいて。
急遽配役変更になったノリーナ役ハスミック・トロシャンがうまい。声量もありよく通る声だ。美形で豊胸と眼福モノ。
ドンのロベルト・スカンディウッツィもマラテスタ役ビアジオ・ピッツーテイも巧くて早口2重唱は聴きものだった。
エルネスト役マキシム・ミロノフの声が細くて惜しかったね。
新国立劇場としては新制作だが、海外での演出・装置・衣装をそのまま持ち込んだようだ。
その為か、天井の高い舞台を生かしきっていない感じもしたが、台所のシーンなど装置にも驚かされるし、アクロバチックなサビースもあって、全体として良くできているなと感心した。
♪2019-176/♪新国立劇場-11