2019年11月16日土曜日

N響第1925回 定期公演 Aプログラム

2019-11-16 @NHKホール


ヘルベルト・ブロムシュテット:指揮
NHK交響楽団

マルティン・ステュルフェルト:ピアノ*

ステンハンマル:ピアノ協奏曲第2番ニ短調 作品23*
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 作品90
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ステンハンマル:3つの幻想曲 作品11-第3曲*

ブロム翁の指揮、ステンハンマルのピアノ協奏曲をステュルフェルトの独奏で聴く。3人ともスウェーデン人。ま、土地の香りなど分からなかったが、20世紀初めの作品にしてはロマン派を思わせる聴きやすい音楽だった。

メインはブラームス交響曲第3番。
サガンを読み、映画「さよならをもう一度」は何度も観た。

この映画で最初に登場するのはその第3楽章。ブラームスの全作品中で最も甘美な旋律ではないか。
演奏会の場面では同じくブラームスの交響曲第1番の第4楽章。
主人公2人がコンサートの休憩後の再開に遅れて入ったらここでも第3番の第3楽章が始まっていて中に入れない。

この映画を観た人は大抵「ブラームスはお好き」になる。
僕もこれを聴く度にバーグマンとパーキンスがホールの階段で立ち聴きするシーンを思い出す。


ブロム翁が指揮をするN響は普段以上にキリッとしているように思うのは気のせいか。何と言っても団員の、そして観客総員の敬愛が翁に注がれていて、みんながこの瞬間を尊いものとして全身で受け止めようとしているのではないか。そういう音楽へ共感が嬉しい。

何回かのカーテンコールの後に登場した際は歩きながら指を3本立てて楽団員に示した。ということは、最初から決めていたのではなかったか。フツー定期演奏会でアンコールはやらないものだ。
が、各員に指示が行き渡ったところで指揮台に乗り腕を振り降ろして始まったのはいうまでもなく第3楽章。もう、涙が出るほど(出ないけど!)嬉しかった。なんて、美しい音楽だ。

2019-180/♪NHKホール-07