2022-05-12 @県立音楽堂
藤原真理:チェロ
倉戸テル:ピアノ
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調 op.38
ベートーベン:チェロ・ソナタ第3番イ長調 op.69
フォーレ:エレジーハ短調 op.24
フォーレ:無言歌第3番 ~3つの無言歌 op.17から
----アンコール----
宮沢賢治(林光編):星めぐりの歌
藤原真理を初めて生で聴いたのも音楽堂だった。随分昔の事。その時の印象を「弦の振動で脂が粉となって飛んでゆく時の、摩擦音が楽音に変化する微妙な両者の共存が聴かせる豊かな音色だ。チェロの、これほど美しい音を聴いたことは今までになかった。」と書いている。
今日も全く同様で、良く鳴り、良く響く。
あまりに美しいので、ああ、もう少し前の席で聴きたかったとの思いが最後まで払拭できなかった。
プログラムが凄い。
ソナタ2本はブラ1とベト3の鉄壁!
に小品のおまけ付き。
ブラ1もベト3もVcが中低域の豊かな音色で先導して音楽が始まる。もう、そこで惹き込まれてしまう。
音楽堂は残響が短い古いタイプの音響設計で、アマチュア泣かせでもあるが、名人が奏でる原音が僅かに残響を纏う微妙なブレンドが至福の響きになる。
王道の音楽を音楽堂で味わう幸せ。