2022年5月24日火曜日

ランチタイムコンサート いろいろな鍵盤楽器で聴くJ.S.バッハの魅力

2022-05-24 @ミューザ川崎シンフォニーホール



大塚直哉:ポジティフオルガン、チェンバロ、パイプオルガン

〜オール・J.S.バッハ・プログラム〜
【ポジティフ・オルガン】
プレリュードとフーガト長調 BWV 860(『平均律クラヴィーア第1巻』から)
コラール「ただ愛する神にゆだねる者は」BWV 691
【チェンバロ】
プレリュードとフーガハ長調 BWV 846(『平均律クラヴィーア第1巻』から)
シャコンヌ BWV 1004/5
(原曲『無伴奏バイオリンのためのパルティータ第2番』終曲-演奏者自身によるチェンバロ編曲版)
【パイプオルンガン】
コラール「われら悩みの極みにありて」BW V 641(『オルガン小曲集 』から)
プレリュードとフーガ変ホ長調 BWV 552(『クラヴィーア練習曲集第3部』から)



ランチタイムにしては格調高く短いながらも本格的な演奏会だった。
3つの鍵盤楽器(ポジティフ・オルガン、チェンバロ、パイプオルガン)でそれぞれ異なる「前奏曲とフーガ」とコラールなど2曲ずつ。
というコンセプトの明確なプログラム。

今年は平均律クラヴィーア曲集第1巻上梓300年に因んだらしい。

ポジティフ・オルガン(小型パイプオルガン)を聴くのは初めてではないが、今日は解説付きで、興味深い演奏だった。楽器は現代作だが、ほぼバッハ時代の機構らしい。音が魅力的だ。

チェンバロでは無伴奏バイオリン組曲からシャコンヌを奏者自身の編曲で。これも味わい深い。

終演後20分程解説もあり、充実した演奏会だった。

ところで、チェンバロは強弱を付けることがほぼ無理なはずだ。
では、強弱自在のバイオリン曲など(例シャコンヌ)を編曲してチェンバロで弾く時に、どんな心境で音楽に立ち向かうのだろうか?

音楽表現にとって”強弱”は強力な手段だが、それを封じられたチェンバロにとってどう解決されているのだろう?

また、2種類のオルガンはいずれも強弱をつけられるが、それはピアノのように一つひとつの音についてではなく、音の塊についてしか強弱を付けることができない。
そのような演奏上の制約は、こちらもどう解決されているのか興味深い。

質問時間があれば訊きたかったよ。

♪2022-076/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-19