2022-05-08@国立劇場
石部宿屋の段
竹本三輪太夫・ツレ:豊竹咲寿太夫
/野澤勝平・鶴澤清允
六角堂の段
豊竹希太夫/竹澤團吾
帯屋の段
前 豊竹呂勢太夫/鶴澤清治
切 豊竹呂太夫/鶴澤清介
道行朧の桂川
お半 豊竹睦太夫
長右衛門 豊竹芳穂太夫
ツレ 竹本津國太夫・竹本碩太夫・豊竹薫大夫
/竹澤團七・鶴澤友之助・野澤錦吾・鶴澤清方
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人形役割
娘お半⇒ 豊松清十郎
丁稚長吉⇒ 吉田玉佳
帯屋長右衛門⇒吉田玉也
出刃屋九右衛門⇒桐竹亀次
女房お絹⇒ 吉田勘彌
弟儀兵衛⇒ 吉田玉志
母おとせ⇒ 桐竹勘壽
親繁斎⇒ 吉田清五郎
「桂川連理柵」(かつらがわれんりのしがらみ)は文楽でも歌舞伎でも数回観ている。これは面白い!
立派な妻・お絹がいるのに、女性にだらしない帯屋の主人・長右衛門(38歳。以下、数え年だと思う)。
旅先で、彼女にしつこく言い寄るのが隣家信濃屋の丁稚の長吉。彼から逃れて長右衛門の部屋にきたのが信濃屋の娘・お半(14歳)。子供ゆえに寝間に入れてやる。それが間違いの元。
長右衛門は帯屋の跡取り養子。帯屋の隠居・繁斎の妻は後妻で連れ子が儀兵衛。繁斎はできた男だが、後妻と儀兵衛は性悪で長右衛門を追い出しにかかっている。
旅先での出来事を盗み見した丁稚長吉も、長右衛門からお半を奪わんとする悪党。
長右衛門は前後左右から濡れ衣を着せられ、悪い事にお半は妊娠。
懸命なお絹の働きにも拘らず八方塞がりの中、先に死を決したお半の後を追って、長右衛門も桂川に。
四段構成だが、これが実に効果的に組み立てられている。
一番面白いのが「帯屋の段」で1時間超だが、長さを感じさせない。前半の儀兵衛と長吉の遣り取りが傑作だ。呂勢大夫の語りが素晴らしい。
この浄瑠璃が作られた当時(1776年初演)、上方では大流行して、「帯屋」の段は「お半長」とも呼ばれて子供でも知っている話となった、と上方落語「胴乱の幸助」に取り入れられていて、こちらも大傑作だ(枝雀が素晴らしい)。
追記:
4月から呂太夫/錣大夫/千歳太夫が切語りに昇格した。同慶也。
♪2022-065/♪国立劇場-04