井上道義:指揮
読売日本交響楽団
ブルックナー:交響曲第8番(ノヴァーク版 第2稿 1890年版)
さて、ミューザまで行っても無駄足に終わる可能性が高い。それでも、ま、ともかく行ってみなきゃ話にならない…と半ば諦めてミューザまで早足で6分くらい?モギリのおねえさんに「間も無く開演です。定刻10分遅れでの開演です。」と言われて、ラッキーとばかり席に急いだ。
開演時刻延長に救われて着席するや否や団員入場。
なんと、コンマスが我が百済観音・日下紗矢子。
ヒエーッありがたや。
チェロの首席も遠藤女史…と華が揃って意気揚々の井上師が捌いた読響の繰り出す管弦アンサンブルの見事さに驚く。フェスタサマーミューザはあと6オケ残っているがもう十分かも、と思うような上出来だった。
ブルックナーって無駄に長い、意味なく派手(これらは確信!)なのであまり好きじゃないが、今日の演奏には蒙を啓かれた思いだ。楽器数は多いけど、種類はシンプルに徹している。管弦以外はティムパニーのほか、出番の少ないシンバ、トライアングルとハープ2台のみ。大編成の割にはおもちゃのような打楽器や多彩な鍵盤楽器などが全くない。これが一つは密度の高いアンサンブルを生むのかも。
特に3楽章、終楽章は思わず身を乗り出すような吸引力があった。全篇とは言わないが、弦の強奏の美しさ、管と弦の交わる時の豊かで甘い響きを久しぶりに味わった。
終演後の得意満面の井上師の達成感丸出しのパフォーマンスも感動を共有できて良かったよ。
が、百済観音に長時間のハグは余計だろう😡。