2019年7月12日金曜日

横浜バロック室内合奏団定期演奏会91回 〜イタリアの輝き

2019-07-12 @みなとみらいホール


横浜バロック室内合奏団
 Vn小笠原伸子、齋藤亜紀、有馬希和子、土谷麻莉子
 Va中島久美、佐藤裕希子
 Vc間瀬利雄
 Cb大西雄二
 Cemb木村聡子
 Ob戸田智子*
 Fg山上貴司**

Tn近野桂介☆
Ctn久保法之
Sp二枝由衣
MSp湯川亜矢子

ナレーション:二宮亮

ボッケリーニ:弦楽5重奏曲ホ長調 作品11の5から第3楽章メヌエット
マルチェッロ:オーボエ協奏曲ニ短調*
ビバルディ:ファゴット協奏曲変ホ長調 RV483
**
ヘンデル:オペラ「セルセ」から抜粋〜演奏会形式

イタリアの輝きと称して盛りだくさんのプログラム。
まずはボッケリーニの弦楽五重奏曲ホ長調作品11-5の第3楽章「メヌエット」が郷愁をかき立てた。
この音楽は、昔ラジオ番組のテーマ音楽として慣れ親しんだが、番組が思い出せない。

マルチェッロのオーボエ協奏曲は先日ベルリン・バロック・ゾリステン(BBS)の名人芸を聴いたばかりだが、ミューザの大ホールで聴くより、みなとみらいホールの、それも響きの良い小ホールのかぶりつきで聴くマルチェッロはオーボエの肉感的な哀愁が魅力的でBBS以上に好感した。

メインはヘンデルのオペラ「セルセ」抜粋(1時間弱)だ。

「ヘンデルのラルゴ」とか「オンブラ・マイ・フ(樹木の陰で)」というタイトルで超有名だが、これが「セルセ」の冒頭のアリアだとは知らなかった。
この歌は短調でもないのに(ヘ長調)ホンに胸が締め付けられるような旋律だ。俗にまみれた卑しい心も少しは洗われるような思いがする。
ペルシャの王セルセによって歌われる(テノール)が、キャスリーン・バトル(ソプラノ)がこれを歌う洋酒のCMが大ヒットしたそうで、多くの人はソプラノの歌だとばかり思っているかもしれない。まあ、内容的にも木々や木陰の思いを歌ったものなので男女どちらが歌っても違和感はないが。

かくも美しいアリアで始まるオペラだが、ラブコメディで、横恋慕や嫉妬やらが交錯し、最後はめでたく収まるべきところに収まってめでたしめでたし。
今回は演奏会形式で抜粋全16曲。これにナレーションが時々入るので筋に迷うことはなかった。声楽独唱陣も見事だ。「オンブラ・マイ・フ」に限らず、親しみやすいアリアの連続でいずれも楽しい。実に贅沢な時間を過ごさせてもらった。

♪2019-098/♪みなとみらいホール-30

https://youtu.be/PLzaMlYomOE ボッケリーニのメヌエット
https://youtu.be/oK58x2cfAQ0 マルチェッロのオーボエ協奏曲
https://youtu.be/5rBEcokvsF0 オンブラ・マイ・フ