鈴木優人:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン
澤江衣里:ソプラノ(天使ガブリエル&イヴ)
櫻田亮:テナー(天使ウリエル)
ドミニク・ヴェルナー:バリトン(天使ラファエル&アダム)
ハイドン:オラトリオ「天地創造」Hob.XXI-2
というわけで、気合の入ったプログラムだった。同じハイドンのオラトリオでも「四季」に比べると単調で面白さに欠けるとはいえ、親しみやすい音楽ばかりで、また、旧約聖書「創世記」でお馴染みの筋書きでもあり、テキストをにらめっこしながらあれこれ考える必要もないので、心地よく音楽に浸っていられる。
演奏も良い出来だったと思う。神奈川フィルは小ぶり編成で音楽の見通しが良かった。弦の弱音もかなり気を使いながら丁寧に弾いていた。
独唱陣はBCJの常連(所属?)で、指揮・合唱団共々和気藹々慣れたものだった。
優れた歌唱を聴いていると、よく訓練された人間の身体こそ最強の楽器だなと思う。特に表現力という面では如何なる楽器も人間の歌唱力には敵わないだろう。
ところで、モダン楽器ばかりで中途半端な古楽アプローチだったがこれはこれで今風の楽しみ方だ。むしろ、いっそ力負けするチェンバロをやめてピアノを使うというのは幾ら何でも大胆すぎるかな。というのもチェンバロは(指揮の鈴木優人が演奏も兼ねた。)重要な役割を果たすが、2千人ホールでは遠くまで音が届いていないだろう。特にオケが重なると比較的前の方の僕の席でも埋没していたもの。
♪2019-099/♪みなとみらいホール-31
しかし、僕の手持ちのCDは2枚組で計142分だ。幾ら何でも42分もの差があるのはおかしい。
今日の神奈川フィルはベーレンライター新版というのを使ったと書いてある。
17年の都響のプログラムを読み返すと110分でオックスフォード版を使っている。
その前というと16年にシンフォニア・ヴァルソヴィアとローザンヌ声楽アンサンブルで聴いたが、この時のプログラムが残っていない(ホンにどこへやったのだろう。捨てるはずがないのに。)ので、版も演奏時間も分からない。
ともかく、100分から142分までの違いは主として使った版の違いによるのだと思う。同じ楽譜を使ってこんな大きな差が生まれることはないだろう。