2019年7月1日月曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~名手と楽しむヨコハマの午後〜 辻彩奈バイオリン・リサイタル

2019-07-01 @みなとみらいホール


辻彩奈:バイオリン
碓井俊樹:ピアノ

【第1部】
サン=サーンス:ハバネラ Op.83
プーランク:バイオリン・ソナタ FP119
ラヴェル:バイオリン・ソナタ ト長調

【第2部】
ショーソン:詩曲 Op.25
サン=サーンス:序奏とロンドカプリチオーソ Op.28
フランク:バイオリン・ソナタ イ長調 FWV8
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マスネ:タイスの瞑想曲
フォーレ:夢のあとに

辻彩奈を初めて聴いたのは、たぶん、2年前の「熱狂の日」にオーヴェルニュ室内管弦楽団(その日は管楽器なしの約20名の弦楽合奏団だったが。)のソリストとして登場した時で、若い(19歳?)のにしっかりとリードしているのが印象的だった。

2回目は、昨年末に、ミューザで東響の恒例<秋山第九>定番の「四季」〜春冬〜への登場だったが、「第九」の添え物とも思えない明瞭で雄弁な弾きっぷりに驚いた。

それで、今回のリサイタルは大いに楽しみだった。

さて、今回は、両部通してフランス音楽集だ。
プーランクのソナタやショーソンの「詞曲」は初聴きだったし、ラヴェルのソナタもフランクのソナタほどには馴染んでいない。しかし、どれもこれもすべて心地よい。

実に明瞭な音色で音楽が闊達だ。
曖昧なところが全然ない。
その音色を聴いているだけでも満足できる演奏だ。

彼女に貸与されている楽器は、ガダニーニの作(1748年製)だそうな。名器は必ずしも鳴り易いというものではないそうだが、見事に豊かな音色を響かせてくれた。
もとより、みなとみらいホールの小ホールはホール自体が楽器のようによく鳴り響くが、そこで才人が名器を使いこなすと、かくも幸福な世界が出現するのか、という感動を覚えた。

初めて神尾真由子の演奏を聴いたのも、東響の<秋山第九>の「四季」で、その時のかなり強力な印象が今も残っているが、若き日の(今でも十分若いけど…)神尾真由子の登場と形も同じだったが、音楽性も類似点があるように感じた。

次の機会には、やはりベートーベン、ブラームスやシューマンなど独墺音楽をたっぷり聴きたいものだ。




余談:この「クラシック・マチネ」シリーズは1部と2部に分かれて、どちらか一つの演奏会だけを買うこともできるので、以前は時間の遅い2部だけを年間セットで買っていたものの、結局はプログラムを見て1部も聴きたくなって追加購入することがしばしばだったので、前季から1部〜2部の通しの年間セット券を買っている。
この両方を聴いて1日1,800円(年間6公演中2公演は2,700円)という信じられないような料金で、かてて加えてホールの会員はさらに割引があるので、もう、本当に申し訳ないようなありがたさだ。

♪2019-092/♪みなとみらいホール-28