2019-07-28 @ミューザ川崎シンフォニーホール
上岡敏之:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
小川典子:ピアノ*
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番*
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲から
モンタギュー家とキャピュレット家 (第2組曲)
少女ジュリエット (第2組曲)
ジュリエット (第3組曲)
ロメオとジュリエット (第1組曲)
僧ローレンス (第2組曲)
タイボルトの死 (第1組曲)
別れの前のロメオとジュリエット (第2組曲)
ジュリエットの墓の前のロメオ (第2組曲)
ジュリエットの死 (第3組曲)
----アンコール---------------
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」作品39の1*
フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2019。その初日は他のコンサートに回って休んだが、今日から8月12日までに全10オーケストラを同じ席で聴けるのが楽しみだ。
今日の驚きは、いつになくホールの響きが良い事。
もとより、ミューザは聴く側にとってのスウィート・エリアが広く、ほとんど響きに不満を感じたことはないが、今日は格別だった。特にピアノが久々に良く鳴った。高域の抜けが良い。低域も濁らない。残響が過不足なく正に適度なのだ。故に小川典子のマイクなしのアンコール曲紹介が<明瞭>に聴き取れた。
残響が効き過ぎると声はくぐもる。声は届いても反射音も一緒に連れてくるものだから聴きとりにくくなるのだ。
同じホールで同じピアノを同じような席で聴いていてもなかなか今日のような明るい響きは経験できない。
外気の温湿度やエアコンの具合、客の入りなどで床や壁の木材の仕事ぶりが違うのだろう。ホンに木は生きているよ。
オーケストラの方も、実力が発揮できたのか、ホールに助けられたか、ともかく好調だった。
念入りな弱音も力技の強音も確かな表現になった。
それは「ロメオとジュリエット」の後半で愈々はっきりしてきた。時にゾクゾクさせるアンサンブルを聴きながら、上岡師がなぜこの曲を選んだのか、が分かったような気がした。
「ジュリエットの死」で全曲が終わった時に、上岡師は指揮台で死んだように手摺に凭れかかっている。幸い拍手は起こらない。演奏事故みたいに長く死んだふりしている。そろそろ心配になりかけた頃にムクッと生き返って大拍手。これも上岡師らしい。
♪2019-109/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-06