2017-12-17 @ミューザ川崎シンフォニーホール
モーツァルト:交響曲第30番ニ長調 K202
ベートーベン:交響曲第9番ニ長調 作品125「合唱付き」
飯森範親:指揮
東京交響楽団
合唱:東響コーラス
ソプラノ:鷲尾麻衣
メゾ・ソプラノ:池田香織
テノール:又吉秀樹
バス:ジョン・ハオ
今日から第九シーズンが始まった。ここ数年は毎年5〜6回聴いているが、今年も全6回(正確には7回!)聴くが、演奏の巧拙とは別にこうあって欲しいというスタイルを書き出せば、
①テンポは3楽章以外は速めに。
②合唱団は冒頭から登壇。
③独唱は3楽章までに着席。
④3楽章後は一呼吸で終楽章に雪崩れ込むべし。
④終楽章の低弦のレシタティーヴォは可能な限りインテンポで。
かつ、細部まで呼吸が整い、クリアな音質とパワフルな音圧で、そして何か新発見があるとなお嬉しいが。
さて、今年のトップバッター…と思っていたら、今年は5月にも「第九」を聴いていいたので、正確には2番手だが、まあ、年末恒例の、という意味では本日が初回だ。
指揮の飯森範親は、顔つきは一癖ありそうに見えるのだけど、意外や意外。いつ聴いても外連味のない誠に正統的な音楽で好ましい。が、長く印象に残ることもないのだが(異端も好きで、ジャナンドレア・ノセダや鈴木秀美、上岡敏之などはやはりもう一度聴きたい。)。
テンポは中庸。3楽章はもっと遅くとも良かった…と言うか、正味13分強だったと思うが、これはむしろ速い部類に入るだろう。トスカニーニ並だ。朝比奈隆など約20分もかけて演奏しているからなあ。全体でも66分くらいだった。3楽章をもう少しネチネチと聴かせてほしかったな。
終楽章のTuttiのあとの低弦のレシタティーヴォも何の違和感もない自然な流れだった。
合唱団は最初から登壇。すると、声楽独唱者はどのタイミングで舞台に上がるのか?3-4楽章の間に入られたんじゃ緊張感が台無しになる。できれば終楽章の入りは一呼吸で突入してほしい。そのためには1-2楽章の切れ目か2-3楽章の切れ目しか無い。
でも3楽章が始まっても声楽ソリストは入ってこない。やはり3-4楽章の前に長い休止を取って登壇させるのか、ならがっかりだな、と思っていたら、3楽章が終わり、ほんの一呼吸で4楽章が始まった。これはいい。そうあるべきだが、でも独唱は?と不安に思っていたら、オケによる歓喜のテーマの一巡後に(当然、音楽を中断すること無く)両袖から粛々登壇で安心した。こういう登場スタイルは初めて経験するよ。
弦も、書道で言えばトメ・ハネなどの形が揃ってシャキシャキと聴こえる。もっと透明感があればなお良かったが、まあ、良好な方だろう。ミューザの音響効果も手伝っているのかもしれない。管弦音量の調和に部分的にはどちらかが埋もれてしまうような場所があり残念だった。
声楽は独唱合唱共に良い。特に東響コーラスはアマチュアながらいつも良い仕事をする。
♪2017-205/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-35