2016年11月18日金曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第324回

2016-11-18 @みなとみらいホール


秋山和慶:指揮
加藤知子:バイオリン
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

武満徹:3つの映画音楽
伊福部昭:バイオリン協奏曲第2番
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36

「3つの映画音楽」にはぼんやりとした記憶があった。弦楽のみの合奏だが編成は中規模。かなり分厚い弦楽合奏だ。
3つの映画のタイトルは、「ホゼ・トレス」、「黒い雨」、「他人の顔」だ。観た映画は後2者。聴き覚えがあったのは最後の「他人の顔」だけ。あとで調べたらアンサンブル金沢のコンサートのアンコールで聴いていた。この曲だけが耳障りの良い、そしてテンポも良いワルツ形式だ。残りはムツカシイ。

伊福部のバイオリン協奏曲も初聴き。全1楽章構成で30分近くある。
バイオリン独奏の加藤知子って、知らなかったよ。第47回日本音楽コンクール1位、第7回チャイコフスキーコンクール第2位だそうだ。それって30年ほど前のことだから、今や大ベテランという訳だ。まあ、確かに、よく鳴るバイオリンだし、管弦楽に埋没せず、伊福部のエキゾチックな?多分5音音階を駆使しているのではないか、東アジアの民謡風なメロディーをグイグイと引っ張っていたように思う。

武満は没後20年、伊福部は没後10年という節目の年なので取り上げられたらしいが、それなら、もう1本も邦人作品でも良かったのではないかと思ったが…。

メインはチャイコの4番。
金管、木管、打楽器が大活躍して気持ちがいい。
今日は不安のホルンも小さな失敗が1ヵ所のみの出来だったが、これまで一度たりとも変調したことのなかったオーボエが第2楽章のきれいなメロディでちょいと音が外れた。指使いではなく楽器の不調ではなかったか。これがともかく残念だったけど、終楽章のけたたましいブラスの咆哮と打楽器の爆発でカタルシス。

秋山御大が神奈川フィルを振るのは記憶に無いなあと思ったが、それもそのはず、34年ぶりだそうな。それにしてはお客の入りが少なくて7割程度だったろうか。何時になく寂しい状況だった。
まあ、終わったら、拍手喝采は大きく、長く、横浜まで来てくれたマエストロに敬意を評するかのように盛り上がったのは良かったよ。

♪2016-156/♪みなとみらいホール-43