2016-11-05 @みなとみらいホール
高関健:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
エフゲニ・ボジャノフ Evgeni Bozhanov, Bulgaria
バラージュ・デメニー Balazs Demeny, Hungary
小林海都 Kaito Kobayashi, Japan
ゲオルギー・チャイゼ Georgy Tchaidze, Russia
●エフゲニ・ボジャノフ
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453
●バラージュ・デメニー
バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番 Sz.119
●小林海都
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
●ゲオルギー・チャイゼ
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23
横浜市が国内外の優秀な若手を招待した演奏会があるのは知っていたけど、出演者はその時点ではほとんど無名だからなかなか聴きに行こうという気にならなかった。今回始めて聴くことにしたのは、昨年のショパンコンクールで第3位になったケイト・リウも参加することになっていたので、既に第2位のシャルル・リシャール=アムランやファイナリストの小林愛実のリサイタルを聴いていたし、第1位のチョ・ソンジンは年明けに聴くことになっているので、ケイト・リウを聴けばショパンコンクール上位入賞者の全員を聴くことになるからだ。
また、彼女が参加するということで、出場者のレベルが相当高いということが分かったからというのも鑑賞を決めた理由だ。
プログラムを読むと、招待されるのは「35歳以下かつ国際コンクールで2回以上入賞歴があること」を応募資格として世界に募り、あるいは企画委員会が発掘するのだそうだ。
過去の出演者一覧を見ると、日本人では小山実稚恵、伊藤恵、仲道郁代、若林顕、田部京子、海老彰子、横山幸雄などが錚々たるピアニストが名を連ねている。尤も、知らない人の名前も多い(特に海外招待者)ので、僕の知識不足もあるだろうけど、若い才能が結局は花開かなかったという人もいるのかもしれない。
そういう次第で、35回も続いているこの演奏会を初めて聴きに行くことにしたが、チケットを買ってからしばらくして、ケイト・リウが体調不良のために出演できないという情報が伝わってきた。
それは残念だが、代役が立つということだった。
その代役がブルガリアのボジャノフだった。
尤も彼を含め3人の外国からの招待ピアニストの名前は知らなかった。
日本人の小林海人は、名前だけは知っていたが、演奏を聴くのは初めて。
演奏会は2日間行われ、今日はみなとみらいホールの大ホールで神奈川フィルと共演してコンチェルトの演奏だ。
4人共プロとして幾つものオケと共演を重ねているようだし堂々としたものでそれぞれに楽しめたが、バルトークだけは聴いたことがなかったのでいささか楽しめるかどうか不安もあったが、これまでに抱いていたバルトークのイメージとは異なって、実に親しみやすい音楽だった。
前から6列目という席だったので、オケと独奏ピアノのバランスがイマイチだったのはやむを得ない。ピアノを聴きたくて前の方の席を選んだのだけど、やはり前過ぎたようだ。
ピアノは珍しくYAMAHAのCFXだった。これはこのコンサートの開催にYAMAHAが協力しているからだろう。
そしてその音には驚かされた。
重くて硬い。
スタインウェイならもっと明るくて軽やかだろう。
この音がホールの後方席や2階、3階にはどのように響いたのだろう。ひょっとしてちょうどいい響になるのかもしれないが、ピアノの原音を聴きたくて選んだ前から6列目ゆえの響だったのかもしれないが、世界のYAMAHAにしては輝きが不足していると思った。
♪2016-150/♪みなとみらいホール-40