2016年11月20日日曜日

N響第1848回 定期公演 Aプログラム

2016-11-20 @NHKホール


デーヴィッド・ジンマン:指揮
レイフ・オヴェ・アンスネス:ピアノ*

シューマン:「マンフレッド」序曲
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54*
シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」
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アンコール
シベリウス:ロマンス 変ニ長調 作品24-9*

前日、都響でデュティユーやシェーンベルクの現代音楽(と言い切っていいのかどうか自信ないけど)をつまらなく聴いたので、今日のオール・シューマン・プログラムは楽しみだった。

やはり、古典派からロマン派中期までのそれもドイツ音楽が馴染んでいるせいでもあるのだけど性に合っている。

ピアノ協奏曲は冒頭のティンパニに続く特異なピアノのアタックでぐいっと引きずり込まれる。情感の奔流みたいな音楽のなんて心地よいことか。

D・ジンマンの指揮やレイフ・オヴェ・アンスネスのピアノの腕前はよく分からない、というかもう既に大家を成しているので問題はどういう音楽を造形するのか、ということだろう。自分の好みで評すれば、全体がとてもオーソドックスでドイツ音楽らしい。

先日、みなとみらいホールでピアノ協奏曲ばかり4曲聴いたが、巧いヘタは別にして、座席があまりにも前の方だったので、管弦楽の音が大きくてピアノとオケの混じり合い、駆け引きのようなものを楽しむには至らず、協奏曲は聴く場所が肝心と痛感したものだが、今日は両者が良いバランスで聴こえてくる。独奏ピアノと管弦楽の間の遣り取りの妙や緊張感が伝わってきて面白い。

ラインは冒頭息が合ってないのではという気がしたが、程なく解消された。聴いていてもテンポが取リづらい”ヘミオラ”の変調リズムのせいだったかも。まあ、この曲も協奏曲と同様、最初の掴みが効いてちょいと重苦しいが甘さも漂うシューマンのロマンチックな世界にいざなってくれる。

N響は時としてこれがN響か?と思うようながっかりさせられることがあるが、今日のN響は王者の風格があったよ。

2016-159/♪NHKホール-10