2016-11-19 @サントリーホール
大野和士:指揮
庄司紗矢香:バイオリン
東京都交響楽団
フォーレ:組曲《ペレアスとメリザンド》 op.80
デュティユー:バイオリン協奏曲《夢の樹》 (1983-85)
シェーンベルク:交響詩《ペレアスとメリザンド》op.5
都響のサウンドは安定感がある。6つものオケの定期会員になっているが、一番の安定感を感ずる。N響は稀だがこれが実力?と思う時があるが、都響はいつ聴いても綻びがないという感じがある。
しかし、今日の音楽は楽しめなかった。
フォーレだけはまあいいかな。
デュティユー(1916-2013)という下を噛みそうな作曲家の作品は以前、読響で「音色、空間、運動」というのを聴いているが、さっぱり覚えていない。
今回のバイオリン協奏曲はなんだか窒息しそうな音楽で少しも気分が乗れない。庄司紗矢香も必死で格闘していたようにみえた。ソリストは楽譜を見ないで弾くのが普通だけど、今回は楽譜とにらめっこしながら弾いていた。いや〜難しそうな曲だもの。楽譜を見ていないとタイミングが合わなくなるのではないか。
まあ、彼女は上手に弾ききったとは思うし、都響の演奏も多分、うまくできたのだろうが、無調音楽なのかとにかく訳が分からない音楽だ。こんな音楽を演奏していても楽しくないだろうなあと思いながら聴いていた。聴かされる方も楽しくない。
メインがシェーンベルクの作品だった。彼こそ12音技法の生みの親だが、本作はそこに至る前の作品で、後期ロマン派風だと解説に書いてあったのでそれなら楽しめるかなと思ったが、全然ダメ。
デュティユー同様、不協和音の連続、先行きの見通せない構造、歌えない旋律など、これはかなり聴いているのが辛い。
美術でもそうだが、現代の作品って観る者聴く者を驚ろかすことしか考えていないのだろうか。
まあ、時には面白く思うものもあるのだけど…。
アンサンブルは良かった。こんなに合わせるのが難しい音楽を縦横ちゃんと合わせていたように思った。
♪2016-158/♪サントリーホール-11