2023年1月12日木曜日

未来へつなぐ国立劇場プロジェクト 初代国立劇場さよなら公演 通し狂言「遠山桜天保日記」

2023-01-12 @国立劇場大劇場



竹柴其水=作
尾上菊五郎=監修
国立劇場文芸研究会=補綴
通し狂言「遠山桜天保日記」六幕十一場
    -歌舞伎の恩人・遠山の金さん-
      (とおやまざくらてんぽうにっき)
        国立劇場美術係=美術

序  幕 第一場  河原崎座楽屋の場
   第二場  花川戸須之崎政五郎内稽古所の場
   第三場  隅田川三囲堤の場
二幕目 安房国山中の場
三幕目 第一場  花川戸須之崎政五郎内の場
    第二場  山の宿尾花屋の場
    第三場  大川橋六地蔵河岸の場
四幕目 第一場  新潟行形亭座敷の場
    第二場  同    庭先の場
五幕目 北町奉行所白洲の場
大 詰 河原崎座初芝居の場

羅漢尊者⇒市川左團次
笛方六郷新三郎/旅の一座の座頭⇒市村橘太郎
捕手頭 佐藤清介⇒市村竹松
楽屋番紋助⇒市村光
行形亭女将お滋⇒市村萬次郎
待乳山のおえん⇒尾上右近*
尾花屋丁稚辰吉⇒尾上丑之助*
遠山金四郎⇒尾上菊五郎
尾花屋小三郎後ニ羅漢小僧小吉⇒尾上菊之助*
八州廻り宮森源八⇒尾上左近*
生田角太夫⇒尾上松緑*
尾花屋番頭 清六⇒片岡亀蔵
座元河原崎権之助/須之崎の政五郎⇒河原崎権十郎
角太夫女房おもと⇒中村時蔵*
政五郎養女おわか⇒中村梅枝*
若太夫河原崎権三郎/八州廻り咲島千介⇒中村萬太郎*
遠山家用人河原崎権三郎/与力大里忠平⇒坂東亀蔵*
佐島天学/⇒坂東彦三郎*
遠山家家老簑浦甚兵衛⇒坂東楽善
        ほか
小川大晴**
寺嶋眞秀**
坂東亀三郎**
*は大詰めの河原崎座役者を兼務*又はそれのみの出演**










毎年、国立の正月公演は菊五郎劇団と決まっている。
いつもは見た目重視の派手な出し物が多いが、今年は初代国立の最後の正月公演なのに地味な世話物?

しかし正月らしい目配りが効いた芝居で大いに満足。

所謂遠山の金さんの話だが、裁きより人情噺に重点。

菊之助の長男、丑之助君を前回見たのは昨年10月だったが、今回は芝居も長く科白も多く、それを見事にこなしている。才能あるものが打ち込んでいるとこんなに早く成長するんだと、近年退化の一途を辿る身としては、驚くとともに反省頻り。
菊五郎も菊之助も同じ舞台に立って喜びこの上なしだろ。

遠山の金さんという人は、天保の改革で取り潰されそうになっている芝居三座を浅草猿若町への所替えで救ったそうで、謂わば歌舞伎の恩人でもある。
そこで今日の芝居では、一件落着後の終幕に主要な役者が、<歌舞伎役者>として登場し、桜尽くしの中、総出で踊って華やかに幕を閉じた。

ここで、本編には登場しなかった、
小川大晴(ひろはる=中村梅枝の長男 7歳)
寺嶋眞秀(まほろ=寺島しのぶの長男 10歳)
坂東亀三郎(かめさぶろう=坂東彦三郎の長男 9歳)が
尾上丑之助(うしのすけ=菊之助の長男 9歳)と共に揃いの衣装で登場した。まあ、可愛らしいこと。
揃って、セリフを先走ったので舞台上も客席も大笑い。
めでたし。

♪2023-004/♪国立劇場-01