2022年9月5日月曜日

明電舎Presents N響名曲コンサート2022

2022-09-05 @サントリーホール


沼尻竜典:指揮
NHK交響楽団
金川真弓:バイオリン*

シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
ブルッフ:スコットランド幻想曲 作品46*
ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 作品98
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J.S.バッハ:無伴奏バイオリンソナタ第3番ハ長調 BWV1005 第3楽章Largo*
ドボルザーク:スラブ舞曲ホ短調 作品72-2


金川眞弓が目的だった。これまでに都響4回、N響1回聴いて、全てに満足。では十分ではなく、何か、幸福感に包まれる思いがしていた。それがなぜか分からない。テクニカルな技量だけなら他にも名手はいくらも居ると思う。こういう理解不能の状況は好ましくない。

いずれ、残念に思う時が来るなら、さっさと来てくれた方が落ち着く。と思って、6連勝を期待しながらもそれはあるまいという妙な心持ちで臨んだ。
しかし、始まってみると弱音でスーッとオケに乗った途端、やられたかも…と思った。やはり、佇まいがいい。弾き方が端正だ。

それはアンコールのバッハの無伴奏〜に端的に表れていた。なんて素直なLargoだ。
これが彼女の持ち味なんだなと、ちょっと肉薄した気になった。

さて、N響だけど、流石にうまいな。
フィンランディアの冒頭、ブラ4の2楽章の頭の金管など痺れるよ。しかし、ブラ4で特に目立った残念が、やはり高域弦のキンシャリだ。

でも、これはN響のせいばかりではない。
僕が、金川眞弓にかぶりつこうと、かつて経験したことがないサントリーの1桁列で聴いたから。
2桁以降で聴けばもう少しまろやかになったはずだ。
もう懲りたから今後こんなに前方では聴かない。

沼さんの指揮ぶりは好感度大。フィンランディアのテンポ!潔い速さだった。

しかし、オケアンコールのスラブ舞曲は止めといた方が良かった。ざわざわして透明感なく、全く美しくない。ブラームスの4番をやった後でもう、みんなも疲れていたのではないか。スコ幻を弾き終えた後では団員の表情に表れていた満足感がもうすっかりなくなっていたよ。

♪2022-127/♪サントリーホール-14