2022-09-02 @東京オペラシティコンサートホール
指揮:高関健(常任指揮者)
東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団
バイオリン:竹澤恭子*
エルガー:バイオリン協奏曲ロ短調 作品61*
シベリウス:交響曲第4番イ短調 作品63
-----アンコール-----------------
エルガー:愛のあいさつ(オケ伴奏版)*
しかし、竹澤恭子は相当な実力者だと思っている。技量だけでなく音楽への入れ込み様にいつもただならぬものを感ずる。この世界、若手の台頭が著しいが、たまにこの人の演奏を聴くと、次元が違うような気がする。
短い前奏が始まるや否や彼女は音楽の世界に没入した。初聴きのエルガー:バイオリン協奏曲はあまりに難しいので演奏機会が少ないのだそうな。
全曲で約52分という長尺を、独奏バイオリンはほぼ出ずっぱり。オケはすっかり伴奏に回っている風。
つまり、協奏曲ぽい絡みはほとんど記憶に残っていない。
オケ伴奏付きバイオリン・ソナタか幻想曲みたい。
構造も掴みにくいのだけど、ずっと最後まで引き込まれた。
今日は残り物に福ありでVn協奏曲を聴くならここしかない、という風な良席だったので、Vn協にしては大編成の弦14型の風圧を直近に受けながらも、それにも埋もれない独奏Vnの変化自在な妙技に飽きることなし。
終曲後は、超大曲の後だし、アンコールは無い方がいいと思ったが、あった。
同じエルガーの愛のあいさつ…は珍しくもなんともないが、オケの伴奏付きは珍しい。
この可愛らしい馴染みの曲を、高関・竹澤コンビとも思えないくらい甘ったるく情緒的に演奏した。お遊び半分お客サービス半分だったか。
生演奏だからと言って、いつも生の音楽の楽しさを味わえるとは限らないが、今日はこれぞ生演奏の喜び。
後半も珍しいシベリウス交響曲第4番。
前半でエネルギー使ったので、この音楽の面白さはイマイチだった。
終楽章の本来チューブラベルを使うところがグロッケンを使ったので、これは音楽を小さくした感じがする。
♪2022-124/♪東京オペラシティコンサートホール-03