ピエタリ・インキネン[首席指揮者]
日本フィルハーモニー交響楽団
アレクセイ・ヴォロディン:ピアノ*
ベートーベン:交響曲第1番ハ長調 op.21
ベートーベン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 op.15*
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 op.88 B.163
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ショパン:子犬のワルツ*
ラフマニノフ:前奏曲集作品32-12*
ドボルザーク:スラブ舞曲作品72-6
インキネンの指揮でベートーベンの交響曲第1番とピアノ協奏曲第1番というちょっと珍しくて、前半のプログラムにしては豪華な組み合わせが嬉しい。
初聴きのヴォロディン。教科書どおりでカチッと仕上げた感じだったが、ベートーベンでは遊びようもないだろう。物足りなかったか、アンコールでは2曲で超絶技巧ぶりを発揮。
子犬のワルツは過去に聴いた最速を更新した。よくまあ、あんなに速く指が動くものだ。
ドボルザークの8番は哀調を十分歌わせて美しい。
弦の透明感は先週の東フィル定期と良い勝負か。ただし、全体として管楽器が控えめな感じだった。
インキネンの意図なのだろうが、終楽章のホルン(フォルテのトリル)のいななきがなかったのは寂しい。ここはやはり泥臭く決めて欲しい。こういう風に綺麗にまとめた8番は珍しいのではないか。換言すれば物足りなかったのだけど。