東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団:男声合唱*
イルカー・アルカユーリック:テノール*
ビゼー:交響曲第1番ハ長調
リスト:ファウスト交響曲 LW-G12(S.108)*
ビゼーの交響曲1番は、初めて聴いた若い頃に第2楽章のオーボエの物悲しい旋律にすっかりやられて繰り返しCDを回した記憶があるが、ナマは随分久しぶり。
東フィルの演奏は僕の耳にはもう全く破綻のない見事なもので大いに満足した。
メインがリストのファウスト交響曲で、その名前は知っていたが、今回が初聴きだ。これが凄い作品だ。
プログラムには演奏予定時間70分と書いてあったが、実演奏は80分に及んだ。
その70分を過ぎた頃にオルガニスト、テノール独唱、男声合唱がしずしず入場。それまででもう十分圧倒されていたが、ラスト10分は彼らが加わって更に上回る迫力。そして天国的な終幕が用意されており、ほとほと感心した。リスト恐るべし。そして東フィルも恐るべし。
イルカー・アルカユーリック(テノール独唱)の出番は短いが、ステージの一番奥から突き刺すような高音を響かせていた。それに男前である。精悍だが同時に甘いマスクで、イスタンブール生まれ、ウィーン育ちのオーストリア人だそうだ。顔立ちはちょっとドミンゴに似たところもあり、間違いなく、多くの女性に取り囲まれているだろうが、失敗しないでね。
今季の席はかなりステージに近いので(強烈な音圧にタジタジとなることが多いので次季はもっと後方に変更手続き済みだが)、それぞれの楽器の音が実に良く聴こえるがみんな巧いのに驚く。ホールの音響も良いのだけど、東フィルは間違いなく腕前もいい。
♪2019-161/♪東京オペラシティコンサートホール-05