2019年10月5日土曜日

N響第1921回 定期公演 Aプログラム

2019-10-05 @NHKホール


井上道義:指揮
NHK交響楽団

植松透、 久保昌一:ティンパニ*

フィリップ・グラス: 2人のティンパニストと管弦楽のための協奏的幻想曲*
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番ト短調 作品103「1905年」

普段は舞台奥に1人で鎮座するティンパニ奏者だが、今日は2人が指揮者を挟んで舞台の前方で各7台ずつのティムパニを演奏した。その様は俵屋宗達の「風神雷神図」ならぬ「雷神雷神図」の如し。

グラスの音楽はいわゆるミニマル音楽。これって抵抗あるけど今日のはティンパニストのパフォーマンスとそれを引き立てるN響の底力を感じて楽しめた。

後半の大曲は指揮の井上道義が<聴かなきゃ損だよ…>みたいなSNS宣伝をしていたが、ホンニこれは聴かなきゃ損の上出来だった。
先週の井上指揮日フィルも目の覚める様な怪演だったが、今日のN響コンビは一段と良かった。

弦の編成は18型(チェロの人数が分からなかったが、コンバスは10本。)に3管編成という滅多にない超特大だが、井上師は隅々まで細かく手を入れたのだろう、見事なアンサンブルを聴かせた。

ショスタコーヴィチの交響曲は、お仕着せ定期で平均3月弱に1回は聴いている勘定だが11番は初めて。
ロシア革命を描いている様だが、それにしては全体が随分と穏やかな調子で5番とはえらい違い。特に終楽章のEホルンには哀調が漂って美しい。

終演後井上は得意満面。この辺が幾つになっても子供っぽい彼のキャラだ。客席も舞台も暖かい気持ちに包まれてお得感いっぱいのコンサートだった。

2019-150/♪NHKホール-06