2019-09-04 @サントリーホール
大野和士:指揮
東京都交響楽団
ヴェロニカ・エーベルレ:バイオリン*
【若杉弘没後10年記念】
ベルク:バイオリン協奏曲《ある天使の思い出に》*
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 WAB109(ノヴァーク版)
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プロコフィエフ:無伴奏バイオリン・ソナタから第2楽章*
今日は偶々ブルックナー195歳の誕生日だったが、プログラムには書いてなかった。その一方で、プログラムには若杉弘没後10年は銘打ってあったが、今日の演目との関係は何にもなかったようだ。
ま、そんな事どうでもいいのだけど。
久しく都響不信感が募っていたが、今日はさっぱりと解消してくれた。
「湿度が高いとホールは良く鳴る」という僕の仮説が当たってサントリーホールにしてはとても良い響きだった。これも都響の腕を高らしめた一因だろう。
まず、ベルクのバイオリン協奏曲。以前、N響+ジュミ・カンで聴いたことはあったがその時はつまらなく感じたが、今回は結構楽しめた。これで3度目聴くこととなったエーベルレの技量も(音圧を除き)良かった。
何より都響の演奏が繊細で良かった。
非調性音楽はだいたい嫌いだ。この曲は12音音階を基にして作曲されているようだが、その割には穏やかで無闇に意表を突くようなところも少なく嫌味がない。何より独自の和声が綺麗だ。
ただ、2楽章の3挺のバイオリンが絡み合う部分など、肝心の音の遣り取りがオーケストラに隠れてよく聴こえなかったのは残念。
メインがブルックナー。
これが過去の鬱憤を晴らす上出来!
冒頭の弦楽器のみの弱音トレモロ…所謂ブルックナー開始から管楽器が入るところが穏やかで良かった。ここをファンファーレみたいに大音量でかき乱す演奏も少なからず。
ここが自然で綺麗に滑りだしたので、あとはなんだか安心して聴いておられた。
今日は弦のアンサンブルも綺麗だったし、管と弦の織りなす響きも久しぶりに美しかった。都響は、やはり力があるのか。
それにしても、ブルックナーは何故かくも劇的で緊張感を強いる音楽なのだろう。未完成で終わってしまったのはむしろ正解だろう。
♪2019-132/♪サントリーホール-05