2019年9月7日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第352回

2019-09-07 @みなとみらいホール


ユージン・ツィガーン:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ラヴェル:ラ・ヴァルス
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466*
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調Op.93

指揮のユージン・ツィガーンは初顔。名前・顔立ちからハンガリアンかと思っていたが、日米のハーフだとか。でもきっとパパが東欧系だろう。神奈川フィルとも初めてだと思う。そういう解説がプログラムに何にも書いてない。指揮の巧拙は分からないが好感受けた。

今日は、ホールの音響がとても良い。ベストが100点なら、85点くらい。なかなかこういう響きには遭遇できない。なんで、響きが毎回異なるのかはよく分からない。複雑な要素が関係すると思うが、どっちにしてもホールの音響設計が良くなければ他の要素をいくら積み上げても良い響きにはならない。そういうがっかりさせるホールはいくらもある。

1曲めは「ラ・ヴァルス」。あまり纏まりがなかったが、この曲はどんなオケの演奏を聴いても好演だと思った記憶がない。メロディーラインは部分的に親しみやすいが、そのオーケストレーションがとても複雑で、旋律線とそれに纏わり付く伴奏部分が衝突して互いの魅力を減殺しているように思える。そう簡単には楽しませてやるものか、という風なラヴェルの意地悪さを感じてしまう。

次のモーツァルトのピアノ協奏曲第20番が実に良かった。

もちろん、独奏者の久元祐子の腕もいいのだろう。
ホールの響きの良さも相まって、高音はコロコロ転がり、中低音も歯切れ良い。

ほとんどペダルを使っていない…かのように、音の粒だちがよく濁らない。
ピアノにケレンなく、オケも出しゃばらず、端正な音楽に仕上がってこれは至福の一時だった。

ところで、この久元氏は日本で唯一のベーゼンドルファー・アーチストだ。しかし、今日弾いたのがスタインウェイだったのは残念。みなとみらいホールにはベーゼンドルファーのフルコンサートモデルの中でも最大級のものが置いてあるはずだけど。

ピアノ独奏ではなく、オケとの共演だったから派手めのスタインウェイを使ったのかもしれない。

メインはショスタコーヴィチ交響曲第10番。
年に1度位しか聴く機会がないのでなかなか感情移入が難しいが、今日はオケの鳴りも良く、弦も管も驚くほど達者で細部まで気合が入って十分楽しめた。

♪2019-134/♪みなとみらいホール-37