横浜バロック室内合奏団+東京室内管弦楽団(混成)
小笠原伸子:バイオリン
ベートーベン:バイオリン協奏曲ニ長調 作品61
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調 作品35
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ビバルディ:バイオリン協奏曲第1番ホ長調 RV269「春」から第1楽章
改修後の音楽堂で第1号演奏会。反響版以外にどこが変わったのか?
舞台が拡張されていたのは、今日だけなのか、今後もそれで定着するのか分からない。音響の良し悪しを聴き分けるには不適当なアンサンブル、というより、僕の席が向いていなかった。
何しろ最前列中央なので、独奏の小笠原女史に一番近い。この場所を選んだのは、三大Vn協奏曲といっても、オケは弦17人+管打13人の計30人という室内アンサンブルだから、弦の共鳴などは考えられないし、残響音よりもリアルな原音を聴きたかったから。
これはこれで、とても硬派の響きが美しい。
指揮者がないのも面白い。バロックの室内アンサンブルではフツーのことだが、この規模でロマン派で指揮者なしは珍しい。それでもちゃんと音楽が様になっているのを聴いて、やたら独自様式を主張する指揮者に振り回されるオケがたまにあることを聴いているから、むしろ指揮者なしの方が良いかも。
小笠原伸子と横浜バロック室内合奏団+東京室内管弦楽団はいずれも小笠原の同志と言えるアンサンブル。見事に息の合ったところを聴かせてくれた。
あまりに肉薄して聴いたので、独奏には聴かない方がよかった部分も聴いたが、それはこのコンサートについてはあまり取り上げるべきことではなさそうだ。
ベト、メンデ、チャイコを1人で弾くのは大変だろうが、全部暗譜で、オケとの一体感と緊張感が聴いていて実に心地よい。集まっているのはほとんど小笠原ファンで、あたかもファンの集いの如し。みんなして独奏者に拍手喝采してとても温かい雰囲気に終始して、久しぶりに音楽を聴く悦びを味わった。
♪2019-080/♪神奈川県立音楽堂-01