福内鬼外=作
神霊矢口渡 (しんれいやぐちのわたし) 一幕
国立劇場美術係=美術
頓兵衛住家の場
(主な配役)
渡し守頓兵衛⇒中村鴈治郎
娘お舟⇒ 中村壱太郎
船頭八助⇒ 中村寿治郎
傾城うてな⇒ 上村吉太朗
新田義峰⇒ 中村虎之介
下男六蔵⇒ 中村亀鶴
ほか
注目は終盤の壱太郎の「人形振り」だ。
前回、この演出に唸ったが「振り」は改善の余地ありと見て10日間の精進ぶりを観察。
ま、それなりの進歩あり。
最後の櫓の場面では人形から人間に戻るが、狭い所で黒衣と3人では無理なのだろう。
「人形振り」では当然目玉を開けたまま動かさない。観ながら僕も瞬きを我慢してみたがとても続かない。何気ない処でも訓練・精進だなあ。
人形を遣う黒衣役の演技に不満が残ったがこれはやむを得ないか。
それにしても、今回の芝居で壱太郎は歌舞伎役者として確実に一ステージ高みに登ったと思う。鑑賞教室、侮るべからず。