2019年6月15日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第348回横浜定期演奏会

2019-06-25 @みなとみらいホール


ピエタリ・インキネン:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

ペッカ・クーシスト:バイオリン*

【日本フィンランド修交100周年記念公演】
シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
シベリウス:バイオリン協奏曲ニ短調 作品47*
シベリウス:交響曲第5番変ホ長調 作品82
-----アンコール-----
フィンランドのフォークダンス「悪魔の踊り」
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第1番からサラバンド〜ドゥーブル

県民ホールでの神奈川フィル定期演奏会が終わって、即、みなとみらいホールへ移動。
日フィル定期はオール・シベリウス作品だ。

第1曲、「フィンランディア」の冒頭のブラスの咆哮で神奈川フィルとの違いを感じてしまった。
オケの差もあるだろうが、まずもってホールの問題だ。
音の輝きと響きの豊かさが全然違う。

「雨の日はホールの鳴りがいい」という仮説はここでも確認できる。
バイオリン協奏曲、交響曲5番とシベリウスのオーケストレーションの面白さを堪能した。

時々、みなとみらいホールでは管・弦のアンサンブルの美しさに浸りながら、こんな贅沢をしていて良いのやら、と思うこともあるが、誰にも迷惑をかけている訳でもないし…。

ただし、交響曲5番では最後の最後に緊張が解けてしまった。
金管のピッチが甘くなって響きが濁ってしまったのは残念だ。
オーバーワークだったのか。

バイオリン協奏曲の独奏者ペッカ・クーシストは指揮のインキネン同様フィンランド人だ。
丁髷の黒装束で忍者風。
この人の演奏は、インキネンと息を合わせていたのか、これまでに聴いたシベリウス・バイオリン協奏曲の中で一番軽快な音楽だった。
本場の人間が揃ってこういう演奏をやるのだから、そもそもシベリウスはなんとなくイメージしているほど重苦しくないのかもしれない。

クーシストのアンコールが面白くて、最初に弾いたフィンランドの民謡もなにやら凄い演奏だったが、まさかの2曲めがバッハの無伴奏組曲1番サラバンドで、これがある意味凄い。
長音以外は弓の先1/3くらいしか使わずに全部を弾き終えた。当然音量は小さい。音楽が軽い作りだ。
最初はお遊びなのかと思って聴いていたが、ドゥーブルまで全曲その調子だったから真面目だったのだろう。独自色の強いバッハ解釈だが、何か意図するものがあるのだろうな。

♪2019-082/♪みなとみらいホール-23