2018年9月21日金曜日

読売日本交響楽団 第615回 名曲シリーズ

2018-09-21 @サントリーホール


シルヴァン・カンブルラン:指揮
読売日本交響楽団

ピョートル・アンデルジェフスキ:ピアノ*

モーツァルト:歌劇「後宮からの誘拐」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K491*
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 WAB104「ロマンティック」<188年稿/2004年刊コーストヴェット校訂版>
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アンコール
ベートーベン:6つのバガテル から第1番*

今日は横浜定期からの振替えなので自分で席を選ぶことはできず、お仕着せの席なのだが、それがずいぶん下手寄りだった為にバランスが非常に悪い。
何しろ、視線の先は第1バイオリンの舞台側最後方プルトだ。つまり、すべての奏者が僕の席より上手に座っていることになる。

ひどい席だ、と言いたいが、そういうバランスの悪い席はむしろスウィート・エリアよりも多い。そういう席に毎回座っている人が大勢いるのだから、あまり贅沢は言えない。
また、見た目のバランスは悪くとも、コンサートホールは反響・残響があるので、そんな席でもそれなりに聴こえるのだ。

しかし、いつも、指揮者の背中を見て音楽を聴いている身にとっては今日のポジションはかなり辛いものがあった。

アンサンブルのバランスの問題だけではない。斜め前方に鎮座するピアノも響き過ぎて音が抜けずに籠もったが、正面で聴くならそれほどでもなかったのではないか。
また、客席から見て左翼(下手)に位置するバイオリン群の音が偏重して聴こえ、高域は時折だがキンキンと軋むのも座席の位置の不都合が少なからず影響しているだろう。

まずもって音が楽しめなくては音楽ではない。
前半は集中が難しかった。

後半、本命のブルックナー交響曲第4番では編成が大きくなり耳慣れもあってアンバランス感はなんとか許容範囲になった(努めて現実を受け入れようとした。)。

さて、久しぶりの「ロマンティック」は、ブルックナーの全交響曲の中では多分一番親しみやすいように思う。昔は苦手だったが、近頃は十分楽しめる。聴く耳が備わってきたからではなく、何度も聴いているうちに馴染んで抵抗がなくなってきただけだが。以前は、くどいと思っていた主題の繰り返しもスルッと通り抜けていくのは、僕なりのブルックナー人間観が固まってきたのかな。

第1楽章。冒頭の立ち込める原始雲から夜明けを告げるような主題をホルンそして各種管楽器が続くが、この出だしのいわば<掴み>が一応の成功を見て長い航海(演奏時間70分)は小破綻もあったが全体として幸福な旅だった。

♪2018-115/♪サントリーホール-09