石田泰尚:第1バイオリン/神奈川フィル首席ソロ・コンサートマスター
直江智沙子:第2バイオリン
大島亮:ビオラ
門脇大樹:チェロ
米長幸一:コントラバス
齋藤雄介:クラリネット
豊田実加:ホルン
中桐望:ピアノ
北村朋幹:ピアノ
西沢央子:ハルモニウム
ヒンデミット:朝7時に村の湯治場で素人の楽団が初見で演奏をする「さまよえるオランダ人」序曲
ブルックナー(E.シュタイン、H.アイスラー、K.ランクル編曲):交響曲第7番ホ長調WAB107(混合九重奏版)
ブルックナーの交響曲はマーラーほどではないが、毎年どこかのオケが取り上げるので、記録を残している2014年以降、僕は1年に4本弱平均で聴いている。とはいえ、全10曲もあるから、中には第1番のように生では聴いたことがない作品もあり、第2、6、8、9番は1度ずつしか聴いていない。多いのは第5番で、それに第4番と第7番が続く。
というわけで第7番は比較的聴く機会が多い。にもかかわらず、馴染みが少なく、あまり良い印象を持っていなかった。
今回、神奈川フィルの首席クラスで、室内楽としてブルックナーの第7番をやるというのでずいぶん楽しみだった。
「神奈川フィルの名手による室内楽シリーズ《名曲の午後》」の前回はシューベルトのロザムンデ(原曲は弦楽四重奏曲)を弦楽十二重奏で演奏したのが面白かったが、今回は、弦5部各1人ずつにピアノ連弾、ホルン、クラリネット、ハルモニウムという非常に変わった編成の10人による九重奏だ。
こういう小編成でやると、各声部の動きがよく分かるので、その点では面白く聴いた。が、当然ながらオケのようなアンサンブルに厚みがないし、せめてティンパニーでも入っておれば迫力も出たろうけど、えらくおとなしい音楽になってしまった。
かの大作を、手軽に演奏してみる、という楽しみのために編曲されたのではないか。聴手より、むしろ演奏家たちの楽しみのための作品だ。
ロザムンデと異なって、この音楽は、やはり大規模なオーケストラで味わいたいな。
♪2018-118/♪フィリアホール-03