2018年9月28日金曜日

横浜みなとみらいホール会館20周年記念 サー・サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団演奏会

2018-09-28 @みなとみらいホール


サー・サイモン・ラトル:指揮
ロンドン交響楽団

ヘレン・グライム:織りなされた空間(日本初演)
マーラー:交響曲第9番ニ長調

開演時刻を5分強過ぎて団員がぞろぞろ入ってきた。まあ、こういう始まり方は日本のオケでも普通だ。
面白いと思ったのは、プレーヤーとは別に、黒尽くめのステージマネージャーと思われる男性が2人、舞台に登場して、プレーヤーがちゃんと着席する様子を見ている。これは初めての経験だ。海外オケも色々聴いているがこういう例はなかった。

コンマス以外が揃ったところで、普通はコンマスの登場を待ち、彼の合図でチューニングが始まるのだけど、今回、ロンドン響は違った。コンマス登場の前に次席(フォアシュピラー)が立ちあがってチューニングを開始した。一旦静まり返ってからコンマス登場だ。彼は舞台袖でチューニングしたのだろうな。

さらに、ややあって白髪頭のサイモン・ラトルが登場した。

休憩後の後半の始まりはコンマスもさっさと席に付きその場でチューニングを始めたから、最初のやり方は一種の格式張ったセレモニーだったのだろう。

1曲めは1981年生まれ(37歳)の女流作曲家の作品で、3楽章構成。第1楽章は昨年ロンドン響のために作曲されたと書いてあったが、第2、第3楽章の作曲経緯や、作曲年は解説に書いてなかった。いずれにせよ、ここ数年のものだろう。言うまでもなく、超現代音楽で、弦楽器さえ打楽器のような扱いで、面白くも何ともない。管弦打のアンサンブルの美しさなどを追求している作品とは思えない。ひたすら意表を突くことを狙っているようにしか思えない。これでも聴き慣れたら別の味わいが出るかもしれないが、聴き慣れたくもない。

メインはマーラーの作品中、ナマでは最も聴く機会の少ない交響曲第9番。避けている訳ではないけど、オーケストラの方でも中々取り上げないから、僕が前回聴いたのは4年4ヶ月も前のことになる(ジョナサン・ノット指揮東響@サントリー)。

CDでは何十回となく聴いているけど、聴いても聴いても頭に入ってこない不思議な迷曲だ。

今日の演奏は85分。無駄に長い。

演奏は昨年のラトル+ベルリン・フィルの方が一枚上手かな。アンサンブルの力強さ、音楽のメリハリは良かった。

弦楽器は16型の編成で、両翼に配置したバイオリン群の効果か、スケール感は出てた。

しかし、個々の奏者の演奏技術などでは特に感心するものはなし。
高域弦ではキンキン音が混ざり透明感に不足。

1週間前に同じホールの左隣席で聴いた日フィル定期での弦楽の響の美しさには及ばず。

このレベルだと、日本のトップ・オケを3回聴いた方が良い音楽体験ができるはず(N響第九の2倍、定期演奏会の3倍の価格。いずれもS席比較で。)。


♪2018-119/♪みなとみらいホール-27