2018年9月9日日曜日

名曲全集第140回 ストラヴィンスキー三大バレエ音楽

2018-09-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール


飯森範親:指揮
東京交響楽団

高橋優介:ピアノ*

ストラヴィンスキー
 組曲「火の鳥」(1945年版)
 ペトルーシカ(1947年版)*
 春の祭典

飯森範親の指揮でストラヴィンスキーのバレエ音楽、組曲「火の鳥」、「ペトルーシカ」、「春の祭典」の豪華三本立。
特に「春の祭典」は弦16型に4管**編成(Hr8本)の大迫力。

この曲は、変拍子の連続だがこの大編成オケは一糸乱れず…いや、少々乱れても聴き分けられないだろうが。
というのも、この作品では、弦楽器も多くの箇所で旋律を奏でるより、打楽器のようにリズムを刻む(これが不規則なリズムだから容易ではないだろう。)ので、旋律楽器としての聴かせどころは少ない。したがって、弦のアンサンブルの乱れなど、あったとしても感じている間が無いだろう。

管楽器(スコア表記)は、木管は12種、金管は7種と多彩で、ホルン8本(うち2本はワグナーチューバ持ち替え)、トランペット5本、トロンボーン3本に大小チューバ2本と、めくるめくような編成だ。
これらが一斉に咆哮し、16型大編成の弦楽5部と混ざって襲いかかってくる響具合も非常に心地よく、贅沢な音の洪水に浸ると共に東響の巧さも実感した。

作曲者本人も「春の祭典」はまともにタクトを振ることが出来なかったというくらい拍子を取るのが難しい作品だが、「春の祭典」のみならず3曲とも暗譜で振った飯森範親は凄い!

♪2018-024/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-02

**「4管編成」というのは、東響の職員に終演後確かめたものだが、僕の席(1階後方中央)からは楽団員が折り重なって見えるのではっきりしないが、5管ではなかったかという気もしている。というのも、昨年夏にやはり東響@ミューザで聴いた折は5管だったと記録しているし、今日も同じだったように思うけど、自信がない。また、3曲の中で「春の祭典」のみ、プログラムに版の年が書いてないが、多く用いられているらしい67年版では5管編成らしい、という事情も、本当は5管編成だったのではないか、という気にさせる。