2016-12-04 @ミューザ川崎シンフォニーホール
ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
ヨハネス・モーザー:チェロ*
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲
デュティユー:チェロ協奏曲「遙かなる遠い国へ」*
シューマン:交響曲 第2番 ハ長調 作品61
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アンコール
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番から「サラバンド」*
軽いショックだったな。
「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲は楽しめた。通常、第3幕の「愛の死」が一緒に演奏されることが多いが、残念ながら今回は前奏曲だけだった。それでも好きな曲なので、これをナマで聴くのは楽しい。
デュティユー(今日の演奏会のポスターもプログラムも「デュティ−ユ」と表記されているし、NET上でも両方の表記が見られるが、個人的には「デュティユー」で覚えたために今後共これで統一することにした。)は最近になって存在を知り、その音楽を聴くこようになった。今年3度めだ。しかし、いずれの作品も楽しくない。前衛音楽はダメだ。こういう作品を無理に楽しまなくちゃいけない、とか理解しなくちゃいけないとか、思わないことにしている。さじを投げている!
軽いショックというのはシューマンの2番だ。
4曲ある交響曲の中で、2番は1番取り上げられる頻度が少ないのでほとんどナマで聴いた記憶がないし、我が家でも(シューマンは大好きな部類に入るので、CDやビデオディスクでほぼ全作品を持っているし、交響曲全集は2種類持っているが)聴くのはもっぱら3、1、4番だ。2番はどんな音楽かを確認するために聴くぐらいで、楽しみとして聴いた覚えがない。
そういう意味では新鮮さがあり期待もしたのだけど、冒頭の金管のファンファーレみたいなメロディー(といっても歌うのはしんどい)を弦がアルペジオ風に支えるのだけど、これがバラバラ!
…に聴こえた。
6/4拍子という変則なリズムで、かつ、テンポが遅い為、流れに乗りにくいのが原因かもしれないけど、管を聴こうとすると弦が何を演奏しているのか分からないし、弦を聴き取ろうとすると管が邪魔で仕方がない。
東響はこの部分を見事に演奏したのか?それとも僕の耳が聴き取れなかったのか分からない。
帰宅後楽譜も見ながらCDで何度か聴いたがやはり音楽の流れが掴みにくい。まあ、率直な感想はこれを作曲したときのシューマンの精神状態は”飛んでいた”のではないか、とさえ思う。
…な訳で東響が下手だった訳ではないのだろうけど、この冒頭の違和感が最後まで尾を引いてしまった。
大好き!と言いたいシューマンの交響曲を、これまで十分味わっていなかったのか、という発見が悲しかった。
シューマンの名誉のために付け加えると第4楽章なんか、シューマンらしいし、明るくて元気でこの楽章はとてもいい。
全体に共感を覚えるようになるためには、ナマで何度か聴かなくちゃいけないだろうな。
♪2016-168/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-28