2016年12月7日水曜日

国立劇場開場50周年記念12月文楽公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』第一部

2016-12-07 @国立劇場


大 序   鶴が岡兜改めの段・恋歌の段
二段目   桃井館本蔵松切の段
三段目   下馬先進物の段・腰元おかる文使いの段・
      殿中刃傷の段・裏門の段
四段目   花籠の段・塩谷判官切腹の段・城明渡しの段
五段目   山崎街道出合いの段・二つ玉の段
六段目   身売りの段・早野勘平腹切の段

(主な出演者)
 豊竹咲太夫
 豊竹咲甫太夫
 鶴澤寛治
 鶴澤清治
 吉田簑助
 桐竹勘十郎
     ほか


大劇場で10月から3部構成・3か月連続で公演している歌舞伎版の原作である人形浄瑠璃版「仮名手本忠臣蔵」は小劇場で2部構成で上演された。

歌舞伎版があまりに素晴らしいので、元祖「仮名手本忠臣蔵」も観たくなって、文楽なるものを初めてナマで鑑賞した。
文楽版は2部構成で、しかも1日で2部とも上演するのでここは思い切って1日で「全段完全通し」を観た。


10時30分開演で終演が21時30分なので拘束時間が11時間。休憩や第1部と第2部との入れ替え時間に席を立ったが、10時間近く椅子に座っていた勘定だ。
本来は、第1部と第2部は別の日に観るのだろう。
現に、第1部で僕の周りに座っていた人は第2部ですっかり入れ替わった。両方の公演をぶっ通しで見るなんて狂気の沙汰かもしれない。

しかし、「全段完全通し」て良かった。
話の内容がよく分かる。
歌舞伎版を既に第1部から第3部まで(第2部までは2回ずつ)観ていたのですっかり話の筋は分かっていたつもりだったが、2度観ても(歌舞伎と文楽の演出の違いは別としても)細部に発見があった。
そして面白い。
ベンベンと打つように鳴らされる太棹三味線の音楽がいい。
太夫の義太夫節がとても迫力がある。
人形の動きも、しばらくして馴染んでくると人形とも思えない不思議な感興が湧いてく
る。

何より、「仮名手本忠臣蔵」というドラマの奥深さに一歩踏み分けたような気がした。

♪2016-170/♪国立劇場-10