2015年5月5日火曜日

劇団民藝「海霧」

2015-05-05 @麻生市民館ホール


劇団民藝
樫山文枝
伊藤孝雄
桜井明美
中地美佐子
大黒谷まい
ほか

原作:原田康子
脚本:小池倫代
演出:丹野郁弓

「海霧」全2幕


昨年から民藝友の会を退会したので、ずいぶん久しぶりの民藝、というより、歌舞伎以外の芝居は一昨年の秋以来観ていない。

なんで今回観ることにしたかといえば、この芝居「海霧」の地方公演が一回り終わって、川崎で凱旋公演というか、打ち上げ公演というか知らないけど、やることになって、この舞台にも出演している知人から「是非観に来てください」とお誘いを受けたから。

原作者の名前も知らなかったくらいだから、もちろん原作の存在すら知らない。
でも、吉川英治文学賞を受賞したベストセラーだそうな。

北海道に移住した女性三代の(時代も明治・大正・昭和の三代にわたる)物語で、原作は原稿用紙1,800枚の長編らしい。

舞台化に当っては150枚に脚色したというからものすごい力技だな。


原作者の実体験を基に書かれているそうだが、決して大事を成し遂げた偉人という訳ではないのだけど、傍からは見逃してしまうような人生だったかもしれないけど、その生き方には肝が座った傑物だったのだろう。

彼女たちに絡む男性陣のなんという不甲斐ないことか。
ダメな男が女性を賢くするのかもしれないけど。


大河小説を端折っているせいか、いくつかのエピソードが積み重ねられるものの、イマイチ主人公たち(母・娘・孫)の人間性が深められず通り一遍の描き方だったように思ったが。

女性の三代にわたる物語、といっても主役は24歳から77歳までを演じた樫山文枝。
飄々と演じているというのか自然体のままで、しかし最後まで芝居の軸となっていたなあ。


そうそう、「海霧」って、帰宅後プログラムを読むまで「かいむ」だと思っていた。「うみぎり」だって!

♪2015-45/♪麻生市民館ホール-01