2015年5月4日月曜日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015 No.345 祈りのバロック~バッハによる喜びのマニフィカト

2015-05-04 @東京国際フォーラムC

フィリップ・ピエルロ:指揮
マリア・ケオハネ:ソプラノ
アンナ・ツァンダー:メゾ・ソプラノ
カルロス・メナ:アルト
ハンス・イェルク・マンメル:テノール
マティアス・フィーヴェク:バス

リチェルカール・コンソート (室内アンサンブル)

J.S.バッハ:カンタータ「汝何を悲しまんとするや」BWV107
J.S.バッハ:マニフィカト ニ長調 BWV243


カンタータ「汝何を悲しまんとするや」は、合唱で始まり、バスのレシタティーヴォ、バスのアリア、テノールのアリア、ソプラノのアリア、テノールのアリアと続き最後にコラールが置かれている。
これがコラールの定型という訳ではなくて前日聴いたカンタータ「心と口と行いと生活で」(の一部だったが)とも異なる。
歌詞は新旧聖書のいろんな部分から少しずつ採られている(例えば冒頭の合唱曲には詩篇42、イザヤ、マタイ、創世記、詩篇90から数行ずつを集めて1篇の詩に再構成している。)が、これがバッハの工夫かといえばそうではなくて、ヨハン・ヘールマン(1585-1647)という人が作曲したコラールのテキストをそっくり転用?しているのだから驚きだ。

音楽そのものは、教会カンタータってどれを聴いても(と言うほどまともに全曲を聴く機会は放送を含め数えるほどしかなかったが)同じような感じで、まあ、こういうものなんだな、という勉強をしたといったところか。もちろん、器楽・声楽のアンサンブルの美しさは心地よいのだけど。

マニフィカトはアンサンブル金沢で前日に聴いたばかりだった。
リチェルカール・コンソートについてはなんにも知らなかったがヨーロッパ屈指の古楽アンサンブル(ベルギー)だそうで、アンサンブル金沢の美しい響に勝るとも劣らない演奏だった。特に、こちらはピリオド楽器(古楽器)による演奏(ついでにアルトも男声)なので、だいぶ趣が違うが、当然バッハの時代の響に近いのだろう。
モダン(現代)楽器によるバッハに慣れているし、どちらかと言えばモダンの方が好きだけど、古楽アンサンブルも馴染んでくると捨てがたい味わいになるのだろう。

♪2015-43/♪東京国際フォーラム-07