2015年5月15日金曜日

日本フィルハーモニー交響楽団第670回東京定期演奏会

2015-05-15  @サントリーホール


下野竜也:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

【日本フィル・シリーズ再演企画 第8弾】
黛敏郎:フォノロジー・サンフォニック
林光:Winds(第24作)
三善晃:霧の果実(第35作)
矢代秋雄:交響曲(第1作)


ほぼ同時代の日本の作曲家たちだから、全員その名前は知っている。
黛敏郎の作品は生でも聴いたことがあったけど他の3人は初めて。もちろん、映画音楽としては、それと知らずに聴いていたろうし、放送でも耳にすることはあったが、好んで聴くような作品ではなかった。

今日の4作品はいずれも日フィルの委嘱作で、当然日フィルが初演をしている。
一番古いのが黛の作品で1957年の初演。委嘱作としての第1号らしいが、その時点では作品に委嘱の番号を付けなかったので、0番扱いだそうな。
翌年の委嘱作、矢代秋雄の交響曲が第1作としてカウントされるようになったそうだ。
一番新しいのは三善の第35作で97年の初演。

およそ3年に2本の割合で委嘱作品が生まれ、来年41作目が初演予定だ。

ま、とにかく。
4本とも当然に音楽の中身も極めて新しい。
オーケストラの委嘱作品だから当然に管弦楽の新しい表現可能性を追求しているのだろう。
作曲手法においても実験的な試みがなされているのだと思う。


西洋古典派やロマン派の音楽に馴染んだ耳にはまことに奇怪なものだ。
ときに騒音であり、雑音であり、生理的にもあまり心地よいものではない。
これは現代音楽に共通することで、もちろんこの際日本人作曲家ということはほとんど意味が無い。
日本人の現代作品でも和風味付けの作品も過去に聴いたことがあるけど、今回は、和風も洋風もなしで、現代風とでも言うしかないか。

解説にはいろいろ説明が書いてあったが、頭が受け付けない。
まあ、黙って聴くしかない。



現代音楽は、聴衆の意表を突くことを第一義としているのだろうか、予測を裏切ることに喜びを感じているのだろうか、と皮肉な見方をしたくなる。
つまりお手上げだ。

かと言って、耐えられないような体験ではない。作曲家は、適度な緊張と緩和を用意して最後まで飽かせないのは、構成などに苦心しているからだろうな。

生だから聴ける音楽だ。CDで聴いてみたいとは思わない。


ところで、前回、サントリーホールでの日フィルの響に物足りなさを感じたのだけど、この日はまあよく鳴ること。もちろん、そういう点も考慮して作曲してあるんだろうけど。
多分、いずれの曲も演奏は難しそうだったけど、一糸乱れず迫力ある演奏だった。

♪2015-49/♪サントリーホール-03