アジス・ショハキモフ:指揮
アブデル・ラーマン・エル=バシャ:ピアノ
デュッセルドルフ交響楽団
ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 op.15
よみうりホールで不完全「熱狂」の次はそのキャパシティが約5倍というマンモスホールだ。これだけ広いとある程度前の方の席を確保しなければ欲求不満に陥るおそれがある。
今年の「熱狂の日」は全9公演すべてS席というプチ贅沢をしたが、このホールAは収容人員5千人超というマンモスホールなので、Sだからと言っても良い席とは限らない。
このコンサートではやや上手寄りだったが、この広大な空間としてはかなり前の方が取れた。
まあ、上等な位置だろう。
このステージに立った演奏家たちを全く知らなかった。
デュッセルドルフ交響楽団の名前は聴いたことがあるけど演奏はどうかなあ。
ブラームスのピアノ協奏曲第1番はお気に入りの曲だ。
ティンパニーロールから弦が不気味に迫ってくる。
これをCDで聴いているととても迫力があっていい音楽なのだけど、この日もちょっと疑問が湧いた。
天才ブラームスの作品にケチをつけるのはとんでもないことだが、この冒頭はやはり非常に大切な部分で、全体の印象を決定づける。ところが、ティンパニーの強烈な地響きのようなロールに対して、弦の入りの音楽は音程が低いためにティンパニーにかき消され気味で、音の厚みに欠けるように思う。そこが物足りないのだ、とこの日改めて思った。CDではおそらくバランスよく録音してあるから強奏部分の音抜けはないのではないか。
さりとて、この協奏曲をナマで聴くのは昨日今日に始まったことではないが、以前は感じなかったことを感ずるようになったのは、少しは感性が磨かれたのか、逆に雑念が入るようになったのか、どうなのだろう。
その時、この第一楽章冒頭をやはり空疎な響と感ずるのだろうか。
♪2015-37/♪東京国際フォーラム-01