ダニエル・ロイス:指揮
ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル
J.S.バッハ:ミサ曲 ト短調 BWV235
ヘンデル:「主は言われた」(ディキシット・ドミヌス)HWV 232
ここから3日目。
昨日に引き続きローザンヌ声楽・器楽アンサンブルによるバッハとヘンデル。
バッハのミサ曲はロ短調ミサ曲が圧倒的に有名でほかに4曲の小ミサ曲があるとは知らなかった。
ロ短調の方は約2時間の大曲だけど、こちらは30分程度(小ミサと呼ばれているのはその為か。)。
ミサ曲の定型はなぞっていない。
「クレド」、「サンクトゥス」、「ベネディクトゥス」、「アニュス・デイ」というタイトルを持つ曲はなくて、「キリエ」と「グローリア」は共通するけど、他の4曲は聞いたことのないタイトルだ。
これはバッハがルター派(プロテスタント)であったことと関係しているらしい。
ミサ曲は本来カトリックの典礼音楽だが、ルター派教会ではミサを行っていたのでそのために作曲したらしい。
ロ短調ミサ曲では定型に沿って作られているが、ト短調ミサなどの少ミサ曲では「キリエ」と「グリーリア」はカトリックのテキストを用いたが他は別のテキストを用いている。
ト短調ミサの全6曲はすべてバッハ自身のカンタータ過去作からの転用だそうだ。この当時はごく普通に行われていたことらしい。
明るく軽い調子で小難しさは全くなくて、文字どおりの声楽と器楽のアンサンブルを楽しめる。
ヘンデルの「主は言われた(Dixit Dominus)」もこういう作品があることを初めて知ったので、当然初めて聴く曲だった。
これが宗教音楽であることはタイトルから分かるが、宗教音楽の中でどういうジャンルに分類されるものか分からない。当日の配布資料にもなんにも書いてないし、ネットで調べてもなかなか正解に行き当たらなかったが、どうやら教会カンタータに分類されるらしい。
テキストは旧約の詩篇第110番。内容はもっぱら主(神)を称えるものだ。ここでは当然イエス・キリストは登場しない。
バッハのト短調ミサ曲と同様に抹香臭さはなく、荘重さも重厚さもあまり感じなかったが、耳ざわりの良い音楽として楽しめた。
この2曲はいずれも初めて聴いたので、両者(同じ1865年生まれ)の音楽に2人の個性を聴き取ることはできなかったなあ。
熱心なファンなら聴き分けられるのだろうか。
♪2015-42/♪東京国際フォーラム-06