2023-03-27 @サントリーホール
バイオリン&声:パトリツィア・コパチンスカヤ*
リゲティ(アブラハムセン編曲):虹~ピアノのための練習曲集第1巻より[日本初演]
リゲティ:バイオリン協奏曲*
バルトーク:《中国の不思議な役人》op.19 Sz.73(全曲)**
リゲティ:マカーブルの秘密*
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リゲティ : バラードとダンス(2つのバイオリン編)*
with 四方恭子
リゲティは(「ルクス・エテルナ」を除き)嫌いだし、都響も普段あまり持ち上げることも少ないけど、このプログラムに限っては絶賛する。
明日も芸劇でやるそうだから、今日聴けなかった人は是非当日券を買って一大パフォーマンスを観に行ってほしい。値打ちものだ。
リゲティの3曲中「マカーブルの秘密」以外は初聴き。
「バイオリン協奏曲」が先ずは聴きもの。
オケの弦編成は変則調弦のバイオリン、ビオラ各1を含んで僅か11本だが、管打鍵は種類も人数も大所帯だ。
音楽は微分音を含むものらしいが、どこが?って感じ。
「ルクス・エテルナ」の管弦楽版擬。微妙な音程の重なりと変化を固唾を飲んで聴いた。
コパチンスカヤの口笛あり、奇声あり、足踏みあり。これらはオケも強要され、客席も求められ、呼応して叫ぶ勇者もあり。
「マカーブル〜」の編成も弦は15本だけだが、管打鍵は大編成。
ソリストは、編成表にも「ソプラノ」と記してある。本来は、歌手が担当するのだと思う。
僕が以前聴いた時は半田美和子の独唱と管弦楽だった。
今回は、コパチンがバイオリンを弾きながら歌った?いや、奇声を発した。
かつて経験していたものの、やはり驚かされた。
コパチンは衣装も独特で、バイオリン協奏曲の時は、以前同様虫食い穴あきのようなドレスで裸足だった。
それが、「マカーブル〜」では死神のつもりなのか極端なメイクに、ドレスには新聞紙や膨らませたレジ袋擬をいくつもぶら下げて登場し、見た目にも圧倒される。これは音楽なのか?と考えるゆとりも与えない強烈なパフォーマンスだった。
プログラムの構成としては、長尺大編成のバルトークを最後に置くのが常識的だが、「マカーブル〜」を先にやったのでは、お客にとてもバルトークを聴く心の準備ができないと考えて、「マカーブル〜」で締め括ったのだろう。正解だ。
さて、バルトーク「中国の不思議な役人」。
組曲版は過去に聴いているが今回は全曲版。
弦16型で管打鍵はこちらも大編成。オルガンに混声4部60人強のボカリーズも。
今回は、よほどリハを繰り返したのか、大野和士のリードが巧かったのか、細部まで、よく整ったアンサンブルで大編成の魅力を十分に発揮した。
大満足也。
♪2023-053/♪サントリーホール-08