2023年3月22日水曜日

東京・春・音楽祭2023 N響メンバーによる室内楽

2023-03-22 @東京文化会館



バイオリン:白井圭、森田昌弘
ビオラ:中村翔太郎、村松龍**
チェロ:藤森亮一、小畠幸法*

モーツァルト:弦楽五重奏曲第3番ハ長調 K.515*
 ⅠAllegro
 ⅡMenuetto : Allegretto
 IIIAndante
 IVAllegro

ボッケリーニ:弦楽五重奏曲ホ長調 G.275**
 ⅠAmoroso
 ⅡAllegro con spirito
 ⅢMinuetto e Trio
 IV. Rondeau. Andante

ブラームス : 弦楽六重奏曲第1番変長調 op.18
 ⅠAllegro ma non troppo
 ⅡAndante ma moderato
 ⅢScherzo : Allegro molto
 ⅣRondo : Poco Allegretto e grazioso

* **はその曲に参加しなかった者





東京文化会館小ホールは、東京の小ホールでは最高の響がすると思っている。
この東京・春祭でも、これまでベルリン・フィルの室内楽、ブラームスの室内楽などのシリーズでは稀有な音楽体験をした。

しかし、このところ(今月中頃から)、どのホールも概ね乾いた響で、残念な状況が続いている(にもかかわらず楽しめる演奏もあったが。)。
それで、この日も心配して第一声を待ったが、実のところ、開演前から何となくその日の響に悪い予感がしていた。
始まってみれば、案の定で、こりゃ一流の弦の音じゃない。本来なら、高域弦はともかく、ビオラやチェロはグイグイ・ブンブン・ビリビリ鳴っても良さそうなのに、乾いて薄っぺらい。

実は、この感想を4月に入って書いている。
良い感想も書けないので今回はパスしようかと思ったけど、まあ、これも記録のうちと思って遅まきながら投稿することにした。

不思議なことに、この日の鑑賞を(当面の?)最後として、その後はどのホールでも以前の響を取り戻している。
特に、東京春祭3/28のシューマンの室内楽では、同じホールのほぼ同じ席(1列違い)だったが、嘘みたいに霧が晴れていつもの、迫力と潤いのある響を聴かせた。

これはどう考えても奏者の問題ではなく、ホールの本来的な問題でもない。すると、僕の体調のせいなのか、気候のせいなのか。

体調は、最近特に変わったこともないので、冬場の空気の乾燥、楽器の乾燥が原因だったのではないかと思う。
室内楽は、いつも最前列から3列目くらいで聴いている(この日は2列目中央。3/28は最前列中央)。おそらくそのせいで、響に敏感にならざるを得ないのだろう。その代わり好条件が揃った際の生々しさは文字どおりナマ音楽を聴く喜びがある。

♪2023-054/♪東京文化会館-03