2022年4月1日金曜日

東京・春・音楽祭2022 塩貝みつるVn &江尻南美 Pf ブラームス バイオリン・ソナタ全曲演奏会

2022-04-01 @旧奏楽堂


バイオリン:塩貝みつる
ピアノ:江尻南美

ブラームス:
 バイオリン・ソナタ《F.A.E.》ハ短調 WoO.2 からスケルツォ
 バイオリン・ソナタ第1番ト長調《雨の歌》 op.78
 バイオリン・ソナタ第2番イ長調 op.100
 バイオリン・ソナタ第3番ニ短調 op.108
----アンコール-------------------
ブラームス:5つの歌 op.105から 第1曲 調べのように私を通り抜ける


ブラームスのバイオリン・ソナタ全曲は、前回、小林美樹で聴いて以来半年ぶり。塩貝の演奏は、当たり前だけど、小林とは様子が違った。

あまり表情を変えず、淡々と流れる(技術の確かさ!)が、処々に思いが籠っていて、ブラームスの叙情的な部分がフイと顔を見せる。

ソナタ3曲とも好みに甲乙つけ難いが、今日は、僕にとって3番が特別良かった。2楽章以降の聴き古した中に発見があって、ブラームス音楽の大きさを再確認できたのが良かった。

アンコールはとても好きな小品。
これも小林美樹の別のリサイタルで聴いたし、その後もCDでよく聴いていたので、嬉しかった。

不満もあり。
旧奏楽堂の響きの硬さは兼ねてから経験しているが、今日は特に響かなかった。残響の問題だけではないと思う。音に潤いがなくなるのが残念だ。
もし、文化小ホールならもっと心に響く豊かな音楽体験ができたろうに残念。
まずは舞台と客席のカーテン類をなんとかできんか!


もう一点。
収録用にマイクが舞台や客席床に何本か立っていたが、その中に、こともあろうに舞台中央下に高さ4m程のマイクが聳え立っているのには参った。
見苦しいだけでなく、演奏家の顔や楽器がマイクの陰に入るのでは、音楽への没入が妨げられる。

専門バカというのはこういう仕事をする職人達だ。

♪2022-047/♪旧東京音楽学校奏楽堂-01