2020-10-05 @みなとみらいホール
若林顕:ピアノ
ベートーベン(リスト編):交響曲第9番ニ短調「合唱付」
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J.S.バッハ(ジロティ編)」:「プレリュード」
本日の「驚愕〜」と来月の「革新の第九」という2つのユニークな「第九」演奏会の一発目!
リスト編によるPf独奏による「第九」だ。
Pf版によるベト交響曲はCカツァリスの全集を持っているし、第九だけならデュエット版も持っていてよく聴いている。
が、常々電気媒介音楽の限界は心得ていたものの、今日の<生演奏>にはもう愕然とした。
ピアノ音楽の素晴らしい表現力、ベートーベンの魅力が実にクリアに迫ってきた。
音響の良いホールだが今日は格別の音だった。
高音はカーンと抜けてゆき、低音は弦の震えが明瞭に伝わってくる。
それだけでも十分「驚愕」だったが、最初から最後まで耳に馴染んだ音楽であるにも関わらず、ピアノだけでの演奏で、声部の動きや構造が分かり易く伝わってくる。
そして、もう、ピアノ版こそ本物の「第九」のような気がしてくるのだ。
今日の演奏が格別だった理由は映像使用も奏功した。
後日の配信用なのか、ビデオカメラが何台もセットされていた。
そのカメラの映像がオルガン前に取り付けた大型スクリーンに映し出されるのだ。いろんな角度から。まるでTVの音楽番組の如し。特に素晴らしかったのは、天井から垂直に88鍵を俯瞰した映像だ。
その鍵盤上を、最近すっかりベートーベンぽくなってきた若林氏の両手が魔法のように動き回わるのにすっかり見惚れてしまう。
そうそう左ペダルを結構多用している事が良く分かった。
TV放送などではこういう角度で写さないので使っているかどうかが分かりにくい。
ひょっとして中央ペダルも使っていたのだろうか?
ともかく、この俯瞰映像で、演奏家がこまめに足も使いながら表情を変えている事が、百聞は一見に如かず、でよく分かった。
休みなしの67分くらい?汗を拭いながら一息に弾き終えた驚愕のピアニストには反則ブラボーも含めやんやの拍手!
♪2020-059/♪みなとみらいホール-14