2020年10月17日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第361回横浜定期演奏会

 2020-10-17 @みなとみらいホール

角田鋼亮:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

辻彩奈:バイオリン*

J.S.バッハ:無伴奏Vn組曲第2番ニ短調 BWV1041から「シャコンヌ」*
J.S.バッハ:Vn協奏曲第1番イ短調 BWM1041*
J.S.バッハ:Vn協奏曲第2番ホ長調 BWM1042*
ブラームス:交響曲第4番ホ短調 op.98

シャコンヌで始まりシャコンヌで円環が閉じる洒落たプログラム。

前半は辻彩奈の独奏によるバッハ。

無伴奏組曲第2番から「シャコンヌ」。

次いでバイオリン協奏曲1番と2番。


バッハの作品そのものが素晴らしいのだけど、このまだ23歳のお嬢さんも素晴らしい。明瞭闊達でたっぷりと存在感を示す。

これまで何度も聴いているが、辻彩奈にハズレ無し。


バッハでの日フィル弦楽選抜隊も独奏バイオリンに丁寧に寄り添って引き立て、綺麗な合奏を聴かせた。

この前半・約1時間はまこと至福のひと時。


休憩後の後半はブラームスの交響曲第4番。

2番、1番に比べて演奏機会が少ないが、ホンに良くできた作品だ。

揺るぎない構成感。
美しい旋律。
抑制された情熱。

オケはバッハでの小編成を12型に拡張したが、それでも管楽器の数に比べると物足りない。

3楽章に至って調子が出て、終楽章は、ブラームスの「シャコンヌ」に雪崩うつ。


この楽章ではソナタ形式の枠組みも垣間見せつつ、シャコンヌ形式による30変奏が行われる。

なんて凄い!

残念ながら僕の耳は各変奏を区分できないが、スコアを見ながら聴くとブラームスの壮大な構想が分かる。

大波小波を繰り返し、最後は堂々の頂点に。

指揮はピンチヒッターの角田氏。

巧拙は分からないがオケと息が合って最後まで緊張を維持した。

本来なら大きな歓声に包まれるはずだが、発声御法度では精一杯の拍手で祝福するしかない。

♪2020-067/♪みなとみらいホール-16