2020年10月12日月曜日

オペラ「夏の夜の夢」

 2020-10-12 @新国立劇場


指揮:飯森範親
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団

演出・ムーヴメント:レア・ハウスマン
(デイヴィッド・マクヴィカーの演出に基づく)
美術・衣裳:レイ・スミス
照明:ベン・ピッカースギル(ポール・コンスタブルによるオリジナルデザインに基づく)

ブリテン「夏の夜の夢」全3幕〈英語上演/日本語及び英語字幕付〉
ニューノーマル時代の新演出版

予定上演時間:約3時間20分
 第1幕50分
  休憩25分
 第Ⅱ幕50分
  休憩20分
 第Ⅲ幕55分

オーベロン⇒藤木大地
タイターニア⇒平井香織
パック⇒河野鉄平
シーシアス⇒大塚博章
ヒポリタ⇒小林由佳
ライサンダー⇒村上公太
ディミートリアス⇒近藤圭
ハーミア⇒但馬由香
ヘレナ⇒大隅智佳子
ボトム⇒高橋正尚
クインス⇒妻屋秀和
フルート⇒岸浪愛学
スナッグ⇒志村文彦
スナウト⇒青地英幸
スターヴリング⇒吉川健一


子供の頃に原作を読み、映画(妖精の女王をミシェル・ファイファーが演じたもの。)も観たが、面白さが分からなかった。

この筋書きにブリテンによる調性拡張?音楽が加わった僕としては初見のオペラが「秋の午後の夢」となることは必至だな…と思いつつ臨んだが、これが存外退屈もせずに終幕に達した。

しかし、最後の妖精パックの口上のように《以上の物語は広い心を以て束の間の夢と受け入れ》なければ、ホンにアホらしい話で、このように物語の結末を「夢落ち」にすること自体にシェークスピアの力量を疑いたくなる…なんて、素人の大胆な発言!

音楽は美しくなく、耳に馴染む事もできないが、ぼんやりとした劇の内容をよく表していた。

ピット内は疎な配置で、弦が19人(他の楽器奏者16人)しか居ないので弦の響きは弱い。が、輪郭のはっきりした演奏で不満はなかった。

歌手も概ね健闘。

ただ、舞台が終始暗く、演者に表情が乏しいのは残念だ。

ニューノーマル時代の新演出とやらで、舞台上の歌手たちも互いの距離をとっていたが不自然さは感じさせなかった。

主役というべき、妖精の王を演じたカウンター・テナーの藤木大地の<地声>が一度炸裂した。これは如何なものか。

そもそも、僕はここでカウンターテナーを使うのも疑問なんだけど、これは演出ではなく、ブリテンがそのように書いているのだから仕方がないけど。

♪2020-064/♪新国立劇場-03