2020年12月27日日曜日

N響「第九」Special Consert 「第九」❽

 2020-12-27 @サントリーホール


パブロ・エラス・カサド:指揮
NHK交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

ソプラノ:髙橋絵理
メゾ・ソプラノ:加納悦子
テノール:宮里直樹
バリトン:谷口伸
------------------
勝山雅世
:オルガン*

J.S.バッハ:組曲第3番ニ長調 BWV1068「アリア」(G線上のアリア)*
J.S.バッハ(デュリュフレ編):コラール「主よ、人の望みの喜びよ」*
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」op.125

パブロ・エラス・カサドの指揮は、スペイン人だからなのか冒頭からメリハリの強いシャキシャキした演奏だったが、1拍めの明瞭さに比べて拍の末尾がぼんやりとした印象は最後まで拭えなかった。

1拍目だけでリズムを作る軽快な舞踊曲みたい。

これはドイツ音楽だろうか?

…なんて、大胆な疑念と闘い続けているうちに終わってしまって、カタルシスは得られなかった。

今日のサントリーホールは響きも悪かった。
舞台周り以外はかなり大勢のお客が入っていたせいだろうか?

管弦のアンサンブルも、ホルンの聴かせどころ(とても上手なのだけど)も響きに潤いがない。

自席は、なかなか取れない最良席だった。ここで文句を言っていたら座る場所がない。なのに、響いてこない。

演奏技術とは無関係。

ホールは生き物だ。あるいは自分の体調も影響したかも。

音楽の齎す幸福度で測れば評点80点。

カーテンコールは最後スタンディングオーベイションで盛り上がったが、それ程じゃないよと1人白けていた。

♪2020-100/♪サントリーホール-06

備考:
弦の編成:12-10-8-5-4
合唱:女声20/男声20
演奏時間正味:63分18秒

2020年12月26日土曜日

読売日本交響楽団第124回みなとみらいホリデー名曲シリーズ 「第九」❼

 2020-12-26@みなとみらいホール


セバスティアン・ヴァイグレ:指揮

読売日本交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

ソプラノ:森谷真理
メゾ・ソプラノ:ターニャ=アリアーネ.バウムガルトナー
テノール:AJ.グルッカート
バリトン:大沼徹

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」op.125


今年7回目の「第九」。
映画は最初の10分間が勝負だというが、音楽の場合は最初の2小節だと思う。ここで惹き込まれないとその後なかなかシンパシーを感じられない。

弦の編成は10型(Vn1⇒10、Vn2⇒8、Va⇒6、Vc⇒5、Cb⇒4)だが、迫力不足は編成が小さいせいではない。

管楽器にも力がない。

時に読響吹奏楽団かと思わせるようなブラスの咆哮はどこに?

全体としてパンチがない。
えらく穏やかな音楽になっている。

終楽章低弦のレシタティーヴォもVcはヤニを飛ばしてくれ!

3/2に拍子が変わり低弦とバストロンボーンのユニゾンに合唱が重なるところこそバストロの聴かせどころなのに品が良すぎる。
ホルンはとても良かったけど。

ま、ともかく、全体に弱々しい。

読響にとって今日は今月5回目の「第九」でその間に大阪公演も。
これじゃお疲れだろう。

帰りにスタッフに「みんな疲れてたね」と声を掛けたら「明日も所沢です」と。

毎年、N響と並んで期待の読響だが、今年は残念だった。

評点75点

♪2020-099/♪みなとみらいホール-31

備考:
弦の編成:10-8-6-5-4
合唱:女声24/男声16
演奏時間正味:68分14秒
3-4楽章は半呼吸

2020年12月24日木曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 「第九」❻

 2020-12-24 @みなとみらいホール


鈴木秀美:指揮

神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合唱:コーロ・リベロ・クラシコ・アウメンタート

中江早希:Sp
布施奈緒子:Al
中嶋克彦:Tn
氷見健一郎:Bs

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」op.125

鈴木秀美+神奈川フィルでベートーベンといえば、2014年の「運命」が強烈だった。

当時”疾走するベートーベン”が流行っていたが、かくも本気で”疾走”するとは思わなかった。
実に爽快だった。

その半年後にノセダ+N響でもっと驚愕の「運命」を聴いたが…。

で、今回は”疾走する第九”を期待したが、逆にゆったりした仕上がりだった。

弦は10型対抗配置。小振りだが、音量に不足なし。

聴いたことがない合唱団は男声14・女声14(うち1名は男性)とこちらも小振りだが、やはり声量に問題なし。

不満は、弦の透明感不足と独唱陣に声量不足1人。

そして、指揮とオケの間に呼吸が整っていなかったように思う。

何しろ、前日に”秋山「第九」”を聴いているので、同じ作品を聴きながらあの幸福感はいずこに?

没入できなかった。

評点70点

♪2020-098/♪みなとみらいホール-30

備考:
弦の編成:10-10-6-5-4
合唱:女声14/男声14
演奏時間正味:72分28秒

2020年12月23日水曜日

東京交響楽団 東響オペラシティシリーズ第119回「第九」❺

 2020-12-23 @東京オペラシティコンサートホール


秋山和慶:指揮
東京交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

ソプラノ:森野美咲
メゾソプラノ:鳥木弥生
テノール:小原啓楼
バリトン:大山大輔

ベートーベン:「エグモント」序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」op.125


今年5回目の「第九」。

1曲目、序曲「エグモント」の弦の強奏が力強く美しく響いて、今日の出来栄えを予感させた。
秋山御大が東響で第九を振るのは100回どころじゃないだろう。
同じ指揮者とオケの組み合わせでかくも続いているのは他に例がないのでは?

されば御大の呼吸がオケの呼吸になる。

そんな両者の息のあった抜群の安定感。なんら不安要素のない「秋山第九」を今年も堪能できた。

これまではこの組み合わせによる「第九」はミューザで聴いてきた。

オペラシティコンサートホールでは初めてだったが、このホール、とても響きが良い。今日は特段に響きが良くて弦の透明度が高く、管弦の混ざり具合も絶妙で、生ならではのアコースティックなシンフォニックな音の美しさを味わった。

秋山御大の指揮は、遅過ぎないが、ゆったりとしたテンポ。
全体に緊張感を求めない穏やかさ。

4楽章の低弦のレシタティーヴォは無限に表情の付け方があると思うが、御大の呼吸感が自然でいい。

インテンポに終始するかに見せて時に溜(タメ)を作り、直後の強奏が際立つ。

第3楽章から第4楽章への流れは、なぜかこの頃少なくなった、一呼吸の間も置かずになだれ込むスタイルが健在でこれは嬉しい。

合唱団は男女同数計40人。

入場した時は全員マスクをしていたのでがっかりしていたが、いつの間に外したのか出番では全員マスク無し。

こうでなくちゃ!

マスクを付けて歌った日フィルの場合(東京音大合唱団48名)より人数は若干少ないが流石に新国立劇場合唱団。メリハリの効いた歌唱で、今回初めて「合唱付き」を実感できた。

終演後のカーテンコールが気持ち良い。

オケもソリストも合唱団も御大の下で良い音楽ができたという充実感が表れている。御大への信頼と敬愛が溢れている。客席から見ていても、その幸福感が伝わってくる。

恒例のLEDランプを点しながらの「蛍の光」に、以前は少女趣味だと思っていたが、今では感動してしまう。

評点90点

♪2020-097/♪東京オペラシティコンサートホール-05

備考:
弦の編成:12-10-8-6-4
合唱:女声20/男声20
演奏時間正味:69分08秒?
3-4楽章は半呼吸


2020年12月20日日曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホール名曲シリーズ 第9回

 2020-12-20 @県民ホール


原田慶太楼:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

OBSESSION (ピアノ:三舩優子×ドラム:堀越彰)*

ガーシュウィン:パリのアメリカ人
D.エリントン:黒と茶とベージュ
ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー*
チャイコフスキー:
 バレエ組曲「くるみ割り人形」Op.71aから
序曲(D.エリントン編曲)
葦笛の踊り(同)
ロシアの踊り(原曲)
花のワルツ(原曲&D.エリントン編曲)
中国の踊り(原曲)
行進曲(D.エリントン編曲)
D.エリントン(大橋晃一編):A列車で行こう

久しぶりの県民ホール。

今回のプログラムは中途半端なシンフォニック・JAZZだ。
ガーシュイン+D.エリントンにチャイコが少し混じった。

いずれも聴き馴染んだ作品ばかりだし、軽くて調子の良い音楽を楽しんだ。

原田慶太楼はお客の乗せ方が巧い。

欲を言えば、せっかくA列車をやるなら、ここにも三舩のピアノが欲しかったな。

原田の指揮はN響2回と今回の3度目だが「ラプソ〜」は2度目だ。

まだ、本格的なドイツ音楽を聴いていない。
いずれ色々聴くことになるだろう。
前回、N響「新世界」で見せたセンスを楽しみにしておこう。


♪2020-096/♪県民ホール-03

2020年12月19日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第363回横浜定期演奏会「第九」❹

 2020-12-19 @みなとみらいホール


飯森範親:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学合唱団

ソプラノ:中村恵理
アルト:富岡明子
テノール:城宏憲
バリトン:大西宇宙

ハイドン:交響曲第9番ハ長調 op.21
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」op.125


弦の編成は10型!

古楽編成ならもっと小規模の「第九」を聴いたことがあるが、モダンオケでこの編成は初めて。
しかし、響は驚くほど明瞭でパワフル。

飯森氏はいつもながら正統的な音楽を聴かせる。

ただ、第4楽章には若干違和感を覚えた。
荒々しさがなくえらく上品だ。物足りない。

とはいえ主題が出てくる頃からはダイナミックに盛り上がった。

一昨日同じホール、席も1列違い同番号で新日フィル「第九」を聴き、健闘ぶりを好感したが、日フィルの”音”は段違いの素晴らしさだった。

声楽独唱陣は指揮者より客席側に立ち、ビンビン響く。
特に中村恵理の声量は強烈・爽快。

ここまでは見事なくらい上出来。

問題は合唱だ。
P席に男女22+26人。
なんてこった!
全員がマスクをして歌う!

ここで白けてしまった。

どんなに頑張っても声は内に籠る。
発声語尾の明瞭さに欠ける。

終演後、日フィルスタッフに「彼らは全員コロナ感染者かね」と尋ねた。
 ~学校(東京音大)で陰性確認していると思います。
じゃあなぜマスクして歌ったの?
 ~飛沫が…
え!ステージにコロナの飛沫が飛んでる?
 ~いえ、そうではなく…

要するに答えられない。
そして過剰防御が音楽を損ねている。

指揮者もよくこれを受け入れたものだ。

舞台に立つ者の陰性確認を断固やるべし。
そして制約なしにのびのびと音楽をやってくれ!

合唱団のマスクを別にすれば、オケと独唱の演奏は素晴らしいものだった。
終楽章の音楽造りは僕の趣味とは異なったけど、これはこれで楽しめた。

評点80点!

♪2020-095/♪みなとみらいホール-29

備考:
弦の編成:10-8-6-4-2
合唱:女声26/男声22

2020年12月18日金曜日

横浜バロック室内合奏団定期演奏会96回 〜バロックのクリスマス

 2020-12-18 @みなとみらいホール


横浜バロック室内合奏団
 Vn小笠原伸子*、有馬希和子+、木村浩司=、眞中望美
 Va小森佳奈、吉満太志
 Vc中垣文子、間瀬利雄
 Cb大西雄二
 Cemb平野智美
 Fl高野成祐之**

コレッリ:クリスマス協奏曲Gm Op6-8*+
ビバルディ:フルート協奏曲Fd Op10-1「海の嵐」**
マンフレディーニ:クリスマス協奏曲Cd Op6-8*=
ロカテッリ:リスマス協奏曲Fm Op1-8*=
ビバルディ:フルート協奏曲Dd Op10-3「ごしきひわ」**
サンマルティーニ:クリスマス協奏曲Gm Op5-8*=
----------------
きよしこのよる

時季に合わせてコレッリとマンフレディーニ、ロカッティ(この2人、初めて聴く名前!)、サンマルティーニのクリスマス協奏曲計4曲にビバルディのFl協奏曲2曲。と盛り沢山だけど、いずれも短い。

「ごしきひわ」以外は全て初聴き。

聴いていくうちにみんな同じように聴こえてしまう。

一つ勉強したのは、クリスマス協奏曲というのは必ずキリストの誕生を祝う穏やかな3拍子のパストラーレという音楽が含まれているという事。

バロックは純粋に音の重なり、繋がりを楽しむものだと思うが、小難しい頭でっかちの音楽と違って気楽さが好き。

♪2020-094/♪みなとみらいホール-28

2020年12月17日木曜日

新日本フィルハーモニー交響楽団 「第九」❸特別演奏会2020

 2020-12-17 @みなとみらいホール


広上淳一:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
二期会合唱団

ソプラノ:小林沙羅
アルト:林美智子
テノール:西村悟
バリトン:加耒徹

ベートーベン:交響曲第1番ハ長調 op.21
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」op.125

今年3回目の「第九」だが、前2回は変種(ピアノ独奏による「第九」と古楽アンサンブルによる「第九」)だったので、本格的なモダンオーケストラと「合唱付き」なのは今日が最初だった。

ベートーベンの交響曲第1番とのカップリング。腕慣らしにはちょうどいい。

不揃いのピチカートで始まった1番だったが、オケはすぐ持ち直した。

第1番・第9番、いずれも弦楽器の編成は12型(低域増)で、1番では管楽器が弦に埋もれている風だったが、その分弦の透明感が増して好感した。

管楽器が増えた「第九」でも、管楽器がやたら吠えまくるという事なく、管弦のバランスがとても良かった。

また、今日の新日フィルはホームである隅田トリフォニーホールで聴くより弦が光っていた。

広上氏の指揮は踊っている割には正統的で素直に受け入れられる音楽だった(71分)。

驚いたのは合唱だ。僅か16人。男女同数。P席に横一列。

 第4楽章の主題が始まったところで2階上・下手から静かに登場したのを見た時、ちょっと胸に迫るものがあった。

こんな形であれ、「第九」を演奏しよう、それを聴きたい、という熱い思いが客席と舞台に漲っているのを感じた一瞬だった。

ソリスト級二期会16人は仲々迫力があった。
とはいえ、僅か16人だ。

覆い尽くされるような大合唱には程遠い。
せめてもう16人並べられなかったか…。

さて、今年の「第九」はあと5回。
今日の演奏を70点として以後の演奏を「お好み」で評価してみよう。

♪2020-093/♪みなとみらいホール-27

備考:
弦の編成:12-10-8-7-6
合唱:女声8/男声8
演奏時間正味:71分19秒
1Mov⇒16:56
2Mov⇒12:12
3Mov⇒16:27
4Mov⇒25:44
Total⇒71:19

2020年12月9日水曜日

ランチタイムコンサート これが聴きたかった! ミュージカルの名曲をデュオで!

2020-12-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール

歌:中井智彦(歌手・俳優・表現者/元劇団四季)♠︎
歌:水野貴以(役者・歌手・声優)♡
ピアノ:長濱司

ラマンチャの男♠︎
踊り明かそう (ミュージカル「マイ·フェアレディ」より)♡
トゥモロー♡
愛せぬならば♠︎
メドレー:ララルー〜ベラ·ノッテ〜世界に平和を(映画「わんわん物語」より)♠︎♡
クリスマスメドレー:恋人たちのクリスマス〜ホワイト・クリスマス〜ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス♠︎♡
星よ♠︎
夢やぶれて♡
オール・アイ・アスク・オブ・ユー♠︎♡

ミュージカルで主役を演じた実力者だそうだが初めての歌手。
歌も知らない曲の方が多かった。

ギリギリ駆け込んだので1階も2CAも埋まっていて2CBで。

最近満席が多い。

マイクを使ったにしては迫力不足。

最近のミュージカル歌手は芸大や桐朋を出てるんだね。

♪2020-092/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-15

2020年12月4日金曜日

ともよあずさ 〜ウィンターコンサート2020〜

 2020-12-04 @みなとみらいホール


堀部ともよ:ピアノ*
中村梓:マリンバ**

①モーツァルト:バイオリン・ソナタ イ長調 K305から第1楽章
②クリストファー・ノートン:ノヴェンバー・イヴニング**
③プーランク:即興曲から*
 第7番
 第12番「シューベルトを讃えて」
 第15番「エディットピアフを讃えて」
④一柳慧:パガニーニパーソナル
⑤フランク:バイオリン・ソナタ イ長調
----ENC---------
ベートーベン:バイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 第3楽章
* ** はソロ演奏


年始の定例演奏会がホールの改修で来年から使えないので年内になった。

このデュオは今年の年初に初めて聴いたが、その時はピアノとマリンバという同じ鍵盤楽器の組み合わせでは妙味に欠けるのではと思っていたが、実際に聴いてみるとそうでもなかった。

マリンバに詳しくないけど、あずさ嬢のはとても大きく、グランドピアノに負けない迫力と繊細なトレモロが美しく、案外面白い組合せだ。

デュエットの他に各自ソロもあり。

あずさ嬢の演奏曲は作曲家も初めて。ジャズっぽい現代曲で4本マレットを操って見た目にも楽しめる。

ともよ嬢はプーランクの即興曲から3曲。初めて聴いたがいずれも親しみやすい音楽を好演。

デュエットでは一柳慧「パガニーニパーソナル」がピアノとマリンバのオリジナルで、これも初聴きだったが緊張感漂う演奏だった。小品とはいえ10分近い。この組み合わせではどうしてもマリンバの妙技が目立つが、ピアノもなかなか手強そうだったな。

メインはフランクのバイオリン・ソナタ。

数あるバイオリン・ソナタの中でもとても人気のある曲だけに、バイオリンをマリンバに置き換えてどうなのか…、と思ったが、これも始まってみると違和感もなく、これはこれで一つの世界だった。

舞台の運び方に不慣れを感じたが、それもご愛嬌ということで。

https://youtu.be/Rb_JbOo2QIc

♪2020-091/♪みなとみらいホール-26

2020年12月1日火曜日

ハマのJACK第47回定期演奏会 Beethoven 題名がある名曲と最後の作品たち-第3部

 2020-12-01 @みなとみらいホール

①Pf志村直樹*
②JACKカルテット(三又治彦、白井篤、村松龍、海野幹雄)

ベートーベン:
①Pfソナタ第32番ハ短調 Op111
②弦楽四重奏曲第16番へ長調 Op135

感想は第1部に記載

♪2020-090/♪みなとみらいホール-25

ハマのJACK第47回定期演奏会 Beethoven 題名がある名曲と最後の作品たち-第2部

2020-12-01 @みなとみらいホール


























①Pf秋山紗穂*
②Vn白井篤/Pf横手梓③JACKカルテット(三又治彦、白井篤、村松龍、海野幹雄)

ベートーベン:
①Pfソナタ第23番ヘ短調「熱情」Op57
②Vnソナタ第10番ト長調 Op96
③弦楽四重奏曲第11番へ短調「セリオーソ」Op95

感想は、第1部に一括記載

♪2020-089/♪みなとみらいホール-24

ハマのJACK第47回定期演奏会 Beethoven 題名がある名曲と最後の作品たち-第1部

 2020-12-01 @みなとみらいホール


①Pf坂原菫礼*
②ポローニア弦楽四重奏団(東亮汰*、岸菜月、小林未歩、堀内優里)
③Vc泉優志*/Pf海野春絵

ベートーベン:
①ピアノ・ソナタ第8番ハ短調「悲愴」Op13
②弦楽四重奏曲第10番変ホ長調「ハープ」Op74
③チェロソナタ第5番 Op102-2


3部構成で各公演は独立しているので、1公演だけ買うこともできるがどうせなら全部を聴きたい…ので12時から20時半までのマラソン演奏会に出かけた。

といっても、実演は4時間弱で各公演から次の公演までの待ち時間が2回合わせて5時間弱。この時間の有効活用が課題だ。

1回目の待ち時間は横浜市新庁舎経由馬車道で遅い昼食。
2回目は日も暮れたので夜景を楽しみながら大桟橋まで。

なんだかんだで2万2千歩。
ウォーキングの今年の最長不倒記録に。

ハマのJack47回定期は、ベートーベンの器楽ソナタと弦楽四重奏曲。
愛称等題名を持つ作品と各分野の最後の作品を集めて全8曲。

公演ごとの感想は手間だから省略。

全体を通して、ベートーベンの魅力を痛感した。

今年は誕生250年ということでベートーベンを聴く機会が多いが、構造がシンプルな器楽ソナタや室内楽にこそベートーベンの真髄に触れられるような気がする。

ハマのJackは若手演奏家を発掘し、発表の場を用意して育成しているが、その若手たちの素晴らしいこと。

3人の若手ピアニストの力強いタッチに自信が溢れていた。

いつも音の良いホールだけど、とりわけ、今日のピアノの響きは素晴らしく、<音階>の演奏だとしても楽しめたと思う(なことないけど。よく整音されたグランドピアノの音に聴き惚れていた。)。

チェロもよく鳴り響いた。音は硬質だが、これは楽器のせいだろう。ヤニを飛ばすようなガリガリ音も魅力的だった。

中でも東亮汰くん(第1バイオリン)を中心にしたポローニア弦楽四重奏団の達者なことには実に驚いた。

4日前に前橋カルテット(前橋汀子・久保田巧・川本嘉子・北本秀樹)というベテランの演奏を聴いたばかりだったが、4人が息を合わせるアンサンブルの妙は負けず劣らずに伝わってきた。

注目して、機会があれば今後も聴いてゆきたい。

残念なことは、これだけ盛りだくさんの、魅力的なプログラムであるにもかかわらず、お客さんが非常に少なかったことだ。

1、2部は平日の日中だから少ないのは分かるが3部は19時半の開演だから、もう少し集まっても良さそうなものだ。2千円だし。

これが横浜のレベルか、と思い悲しかったよ。

♪2020-088/♪みなとみらいホール-23

2020年11月29日日曜日

オペラ「こうもり」

 2020-10-12 @新国立劇場


指揮:クリストファー・フランクリン
演出:ハインツ・ツェドニク
美術・衣裳:オラフ・ツォンベック
振付:マリア・ルイーズ・ヤスカ
照明:立田雄士

合唱⇒新国立劇場合唱団
バレエ⇒東京シティ・バレエ団
管弦楽⇒東京フィルハーモニー交響楽団

オペラ『こうもり』/ヨハン・シュトラウスⅡ世
Die Fledermaus / Johann STRAUSSⅡ
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
オペラパレス

予定上演時間:約3時間
 第Ⅰ幕50分
  休憩30分
 第Ⅱ、Ⅲ幕100分

前回観賞の「夏の夜の夢」(全員日本人キャスト)と打って変わって、本作の主要キャスト(指揮者含む)は例年どおり海外勢だが、こんなに大勢が来日できるのにオケの指揮者が躓いているのはどうして?


因みに日本人は2人(村上・大久保)は常連。1人(平井)も復帰組で慣れたもの。

オペラ自体はいつもながらに傑作。大いに笑える。

長く変わっていない舞台装置や衣装も綺麗だ。

今回の発見は、今更ながらだけど、序曲が実にうまく作られているという事。

序曲というのは大抵そうだけど、本編を観ながらああ、この曲もこの節も序曲に取り込んであるぞと、逆に気付く有様。


残念なことはコロナ過剰警戒演出だ。
1幕の有名で楽しい三重唱(「ひとりになって」or「あなたのいない8日間」とも)。

3人とも口では悲しい寂しいと言いながら心は今夜の楽しい夜会。
曲調が舞曲に転ずるとその本音が出てしまうところ。

演出は基本的に過去を踏襲しているが、少なくとも18年の舞台とは異なった。

18年版では、3人が寄り添って腰掛けていたので、ポルカ風の音楽が始まると上半身とは裏腹につい足がリズムに合わせて動いてしまう。ここが巧い。それが傑作(立って歌う演出が世界的にもフツーだけに18年版の座って歌う演出が光っていた。)。

今回は3人とも距離を保ち立っていたので<つい、足が…>の滑稽さが失われて、単に音楽に合わせているという感じになってしまった。

惜しい!

全員の陰性を確認しているそうだが、ならば、どうして「密」な演出を避ける必要があるのか。

ラストのハッピーエンドも主役2人が抱き合っても良かったが。
このあたり、隔靴掻痒!

https://youtu.be/vHk4J48_hug

♪2020-087/♪新国立劇場-04

2020年11月28日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第362回横浜定期演奏会

2020-11-28 @みなとみらいホール

川瀬賢太郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

竹澤恭子:バイオリン*

ベートーベン:序曲《レオノーレ》第3番 op.72b
ベートーベン:交響曲第8番 ヘ長調 op.93
ベートーベン:バイオリン協奏曲 ニ長調 op.61*
----ENC----------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンのための組曲第2番からサラバンド*


オール・ベートーベン・プログラム。
前半は「レオノーレ第3番」と「交響曲第8番」。

これがいずれも出来が悪く、全然集中できなかった。

各パートは決められた音を出しているのだろうが、呼吸が合っていない。
一斉強奏(Tutti)はそこそこ綺麗だが経過部がふにゃふにゃだ。

まるで明日のサントリーの為のGP(ゲネプロ=本番直前の最終リハーサル)みたいで悲しい。


後半のバイオリン協奏曲は竹澤恭子の入魂の演奏があまりに見事で、オケもようやく覚醒してエンジンがかかった。

独奏者は何といっても豊かな音量が求められるが、彼女の発する音は実に明瞭で迫力がある。
どんな場面でもオケに埋没しない。
音楽に対する集中力が半端ではない。

先月の日フィルは辻彩奈でバッハのバイオリン協奏曲等が素晴らしかったが、今日の竹澤恭子を聴くと、辻彩奈も優れた才能の持ち主だと思うが、まだまだ道は遠いぞとも思う。

竹澤恭子はこれまで室内楽しか聴いたことがなかったが、オケを従えた彼女は佇まいにオーラがある。

昨日の前橋カルテットに引き続き、今日も音楽に肉薄する渾身の演奏に出会えた幸せ!

♪2020-086/♪みなとみらいホール-22

2020年11月27日金曜日

橋汀子カルテット 〜フィリアホール ミュージックアカデミー・プログラム

 2020-11-27 @フィリアホール


前橋汀子(バイオリン)
久保田巧(バイオリン)
川本嘉子(ビオラ)
北本秀樹(チェロ

《オール・ベートーベン・プログラム》
弦楽四重奏曲第4番ハ短調 Op.18-4
弦楽四重奏曲第11番ヘ短調 Op.95「セリオーソ」
弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 Op.131
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番から第2楽章アンダンテ・カンタービレ

先月末にもSQを聴いているから久しぶりと言う程でも無かったけど、SQならではの緊張感に包まれたのはホンに久しぶりだった。

前橋汀子のカルテットは初めて。

正規メンバーのVcが来日できず、その為か?曲目も15番が14番に変わったが僕には関心の埒外。

室内楽はかぶりつきに限る、と言う訳で相当前列の席で聴いた。

今日の4番、11番は生で聴く機会もそこそこあり、CD等でも馴染んでいるが14番は多分初生。家でも演奏時間が長い(本日実演40分)せいもあって滅多に聴かないので楽しめるかなと不安もあったが、前2曲の好演で懸念は吹き飛んだ。

綿密に構成された四重奏曲に巧者が息を合わせて挑む時に生まれるスリリングな緊張に圧倒された。

特に14番は全7楽章休止なし。かなり自由に作られているが、緩みがない。奔放な楽想に振り回される心地良さ。

ベトの真髄の近くを掠めたような気がした。

今夜は全曲がセリオーソな至福の時。

♪2019-085/♪フィリアホール-01

2020年11月26日木曜日

パイプオルガンLucyバースデー・コンサート GRAND ORGAN GALA 2020

 2020-11-26 @みなとみらいホール

三浦はつみ・荻野由美子・近藤岳(オルガン)
林辰則(トランペット)
黒川青葉(ソプラノ)
平尾信幸(パーカッション)
篠崎史門(ティンパニ、パーカッション)
牧野美沙(パーカッション)
竹市学(能楽笛方)
梅若紀彰(仕舞)

第一部
サン=サーンス(近藤岳編曲):交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」Op.78から第2楽章第2部
近藤岳:オルガンのための《獅子》
ラヴェル:ボレロ

第二部
大友良英:2019年NHK大河ドラマ「いだてん」から
佐藤直紀:映画「ALWAYS三丁目の夕日」から
佐藤直紀:TVドラマ「GOOD LUCK!!」から
フレディ・マーキュリー、マイク・モラン:「バルセロナ」
ヘンデル:「アン女王の誕生日のための頌歌」から
ヴァンゲリス:映画「炎のランナー」から
菅野よう子:「花は咲く」
ジョン・ウイリアムズ:「オリンピック・ファンファーレとテーマ」


Lucy(みなとみらいホールのオルガンの愛称)の誕生日は夏で、このコンサートも6月の開始予定だったが、コロナで今日に延期されたので、今年末でホール・オルガニストを退任する三浦はつみ氏の退任記念演奏会のようにもなったが、むしろこれはこれで良かった。

オルガンにトランペット、打楽器、和楽器、声楽などあれこれ取り混ぜて多様な音楽を多彩な音色で楽しんだ。

でも、一番は、冒頭のサン=サーンス:交響曲第3番2楽章2部。
オルガン連弾だった。

連弾だと、オルガンの呼吸量?も多くなるせいか、凄まじい響に身体の震えを感じたよ。

ところで、三浦氏の退任あいさつを聞きながら、みなとみらいホールの年明けから22月に及ぶ改修康二の為の長期休館に思いを致し、淋しさが募ってきたよ。

例年なら年間50回は通っている我が「ホーム」だ。
このホールのない生活はいったいどんなことになるのだろう。

オケの定期演奏会は会場を(県民ホール、県立音楽堂、ミューザなどに)変更して継続されるが、みなとみらいホールは我が家から一番近くで、一番立派で、一番響きの良いホールだものな。

意気消沈…。

♪2020-084/♪みなとみらいホール-21

2020年11月23日月曜日

読売日本交響楽団第123回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

 2020-11-23 @みなとみらいホール


鈴木優人:指揮
読売日本交響楽団

村治佳織:ギター*

ベートーベン:序曲「レオノーレ」第3番
ロドリーゴ:ある貴紳のための幻想曲*
ベートーベン:交響曲第5番ハ短調「運命」
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タレガ:アルハンブラの思い出*

ベートーベンの作品は2曲ともコンパクトな弦10型**だった。
こういう読響ってこれまでに聴いたことがあるかなあ?

2曲とも金管は17本。

読響の金管部は良く鳴るし、みなとみらいホールはよく響くし、どうも弦楽部が押され気味な感じ…
…というか、弦楽アンサンブルの良さを味わうに至らなかった。

鈴木優人の叔父さん・鈴木秀美の「運命」を聴いた事があるが「疾走型」でとても面白かった。

甥っ子の「運命」も出だしはかなり早いテンポ。

このまま疾走するかと思いきや、以降は正統的で外連味のない聴き慣れたもので、これはこれで楽しめた。

**正確には12型の基本形から第1バイオリンを1組(2人)減らし、第2バイオリンが舞台下手に並ぶ第1バイオリンに対抗する形で上手に配置される陣形

♪2020-083/♪みなとみらいホール-20

2020年11月21日土曜日

モーツァルト・マチネ第43回「壮年期 X 挑戦」

 2020-11-21 @ミューザ川崎シンフォニーホール

沼尻竜典:指揮
東京交響楽団

佐藤友紀(東京交響楽団首席トランペット奏者)*

モーツァルト:交響曲第32番ト長調 K318
ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調 Hob.VIIe:1
モーツァルト:交響曲第38番ニ長調 「プラハ」K. 504


東京交響楽団音楽監督のジョナサン・ノットが指揮をする回だったが沼尻竜典に代わり、演目もリゲティの小品がモーツァルトの32番交響曲に差し替えられた。

ハイドンを挟んで最後はモーツァルト38番交響曲「プラハ」。

全曲、軽快で親しみやすく、やはり、モーツァルト・マチネはこうでなくちゃ。

沼尻氏は前にもモツ・マチや名曲全集で登場しているので急な代理といっても十分気持ちは通じ合うだろう。

ハイドンのトランぺット協奏曲には懐かしさを感じた。

今やまずCDを回すこともないのになぜかメロディーはしっかり頭に入っている。

東響首席の佐藤氏が明るい音色と美技で好演。

メインの「プラハ」。

この曲も15日に都響で聴いたばかり。

その日の都響の出来は良かったができたら弦10型で聴きたいと思ったところ今日の東響はまさしく10型で、コンパクトでシャキシャキして、ミューザの響きの良さも相俟って音楽が一層分かり易く心地よい。

古典派絶対音楽の妙也。

音楽はとても良かったが、残念な事に指揮者とコンマス(管楽器はいうまでもなく)以外は全員マスクをして演奏した。

ここ数日の感染急拡大を受けてかもしれないが、いくらなんでも本番中は不要でしょ!

不安がないように、東響はしっかり団員の健康管理(定期的検査含む)を行うべきだ。

♪2020-0821/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-14