2019-04-25 @紀尾井ホール
河村尚子:ピアノ
ベートーベン:ピアノ・ソナタ
第26番変ホ長調 Op.81a「告別」
第27番 ホ短調 Op.90
第29番変ロ長調 Op.106
「ハンマークラヴヴィーア」
-------アンコール
「告別」から第3楽章
2年でベートーベンのピアノ・ソナタ14曲を弾くプロジェクトの3回目(因みに第1回は4、8、7、14番。第2回は18、21、24、23番。)は26番「告別」、27番、29番「ハンマークラヴィーア」。
おいおい、僕の急所を突くような選曲だぞ。
ベートーベンのピアノ・ソナタのMyベスト4は28と最終3曲(なぜBest4なのか、なぜこの選曲なのかは説明可能だけど無駄に長くなるので省略。)。
一方、苦手ベスト3こそ今日の曲目だ。
特に29番にはうまく共感できない。
今日の演奏。
前2曲はベーゼン〜の柔らかい音が残響多めのホールと相まって美しかった。今回はベーゼンドルファーだったが、前回はスタインウェイではなかったろうか?少なくとも第1回のフィリアホールではベーゼンドルファーではなかった。最近彼女がリリースしたCDはいずれもベーゼンドルファーを使っているから、近頃お気に入りなのかも。
が、そもそも29番はベーゼン〜向きではないような気がする。
加えて残響多めのホールのせいで、冒頭の強奏がくぐもったのは残念。
とは言え、ここ一番の気迫が漲って強弱・遅速のダイナミズムが明瞭。3楽章終盤から4楽章冒頭まで我が貧弱な耳には音楽が迷子になったように聴こえるが、その隧道を過ぎると疾走するフーガが心地良い。
で、それなりのカタルシスを得たが、どうも29番は深い。
一に慣れの問題だが、この巨大な精神世界になかなか踏み入れない。せっかくソナタ全集(楽譜も)持っているのだから、暇ができたときに楽譜と睨めっこしながら真剣に聴いてみよう。
このシリーズ次は最後の3曲(30〜32番)。
これはもう大好物なので楽しみだ。
♪2019-053/♪紀尾井ホール-1