2019-04-26 @サントリーホール
大野和士:指揮
東京都交響楽団
武満徹:鳥は星形の庭に降りる(1977)
シベリウス:交響曲第6番ニ短調 op.104
ラフマニノフ:交響的舞曲 op.45
部分的に教会旋法を使って作曲された作品例はあるが、シベリウスの交響曲第6番は、いわゆる教会旋法のドリア調で全曲が書かれているそうだ。教会旋法のことは大雑把な知識しかないが、古典派以降は長調(これを3度下げて作られた短調)に取って代わられて、特別な効果を求めるとき以外は用いられていないようだ。
ゆえに、シベリウスがドリア調で全曲を書いたというのは非常に珍しい出来事な訳だ。
ドリア調ではD音(ハ長調で言えばレの音)が第一音だが主音ではない。終止音というらしいが長調でいう主音に相当するのだろうか?
一方で、支配音というのもあって、それは旋法によって異なるがドリア調の場合はちょうど5度上のA音だというから長調で言えば属音に当たる。それぞれがどんな役割を担うのかさっぱり分からない。ちょっと調べてみたが、疑問の草叢に分け入るだけみたいだから、早々にUターンした。
知らなくたって音楽は聴いて楽しめばいいから…というのは負け惜しみだけど。
ともかく、古典派以降でいう「調性」はないのだから、機能和声が説明してくれるような機能(属音・下属音・導音など)が各音に割り当てられてはいないのだろう。
では、どうやって曲が始まり、終わるのか興味深い。和声に頼らず旋律だけで終止できるのか?
などと聴きながら考えていたらいつの間にか音楽は終わってしまった!
調性に慣れた耳にはカデンツ(機能和声でいう「終止形」)の手順を踏んでキッチリ決めた音楽にこそ安心感があるなあ。
ラフマニノフの「交響的舞曲」。
彼の最後の作品にしては分かり易い。都響で聴くのも2度目だが、あまりステージにかかることが少ない音楽だ。片鱗も覚えていなかったが、結構面白い。
が、今日の都響は第1バイオリンの高域が美しくない。
先日の神奈フィル@県民ホールのような響で聴きたかったな。
今季から席替えをした。席番は同じだが、7列も前に行った。原音と残響の混じり具合が良い感じだ。その分、弦の乱れはよく聴き取れてしまう。
♪2019-054/♪サントリーホール-03