2016年9月24日土曜日

東京交響楽団第644回定期演奏会

2016-09-24 @サントリーホール


ユベール・スダーン:桂冠指揮者
ファウスト(テノール):マイケル・スパイアーズ
メフィストフェレス(バス):ミハイル・ペトレンコ
ブランデル(バス):北川辰彦
マルグリート(メゾ・ソプラノ):ソフィー・コッホ
東京交響楽団
児童合唱:東京少年少女合唱隊
混声合唱:東響コーラス

ベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」作品24

今年東響は70年。N響は90年。日フィルは60年。サントリーホールが30年。重なるものだな。
そんな訳で各オーケストラが大作を取り上げているのが嬉しい。
東響はベルリオーズの大作を上演した。

「ファウストの劫罰」は正味約2時間20分。

この秋のシーズンに入って長大曲が続くが、N響「千人の交響曲」が約90分、日フィル「エリア」が約130分に対して今日の「ファウストの劫罰」が約140分ととりあえず最長だ。間もなくN響のマーラー第3番を聴くことになっているがこれも140分前後と良い勝負だ。音楽を聴くのにも体力が必要だよ。

「ファイストの劫罰」は演奏時間が長いだけではない。
大規模オケに声楽独唱4人、混声支部合唱団、児童合唱団。
舞台には全員並ばないのでP席が合唱団に占められた。
部分的には(ラコッィー等)聴いたことがあるが全曲は初めて。

物語はゲーテのファウスト1部を換骨奪胎したものだが、ベルリオーズの音楽への思い入れが激しく、ドラマの脈絡はあまり考えられていないようだ。

そういう事情もあって、「物語」にはついて行けないと思っていたが音楽は強烈だ。
特に、終盤がすごい。

歌手たち・合唱団・東響の熱演がじわじわと迫ってきたちょうど頃合い、第4部に突入すると心震えるような魂の叫びが炸裂してこれまでの音楽鑑賞体験では感じたことのなかった異次元感覚だ。
黒田バズーカならぬ東響バズーカにうちのめされた感で、内心は大興奮。そして大満足。


♪2016-130/♪サントリーホール-09