2023-02-24 @みなとみらいホール
●ショパン:ポロネーズ 第7番変イ長調op.61「幻想ポロネーズ」
●シュピルマン:ピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」
I.Begin slowly
II.Machine at rest
II.Toccatina
●ヴァインベルク:ピアノ・ソナタ第4番ロ短調 op.56
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アレグロ
第3楽章 アダージョ
第4楽章 アレグロ
●ラフマニノフ:10のプレリュード op.23より
第10番変ト長調
第09番変ホ短調
第08番変イ長調
第07番ハ短調
●ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番変短調 op.36(アヴデーエワ版)
第1楽章 アレグロ・アジタート
第2楽章 ノン・アレグロ
第3楽章 アレグロ・モルト
-----アンコール----------------
シュピルマン:マズルカ
シルベストロフ:バガテル op.1-2
久しぶりのナマ・アヴデーエワ。
この人の音楽に立ち向かう姿勢がとても真摯で好感。
今日の曲目は、ラフマニノヌの前奏曲作品23抜粋(何故か逆順の演奏)以外はほぼ馴染みが無かった。ラフマニノフのソナタでさえアヴデーエワ編曲版でこれも厳密には初聴き。
しかし、ホールの響はいいし、丁寧でしなやかな指遣いが発するピアノの音は最弱音も見事に美しい。
こんな美しい音なら音階練習だって音楽になりそうだ。
彼女はいつも《演奏に集中できる服装》で登場するが、今回も黒にラメの入ったパンタロンスーツ?
休憩後のお色直しさえない。
この求道者のような態度は、観客をもその世界に引き込んで、みんな本当に行儀良く、咳払いもほぼ聴こえなかったし、フライングなどもってのほか。
僕だけでなく多くのお客にとっても馴染みの音楽は少なかったと思うけど、ひたすら彼女の呼吸に合わせて聴き入っていた。
アンコールで彼女がマイクを持って説明をしてくれた。日本語でさえ聴き取りにくいホールのPAだが、どうやら英語だったようで、幾つか聴き取れた単語を並べると、最初はナチス被害者であるポーランドのシュピルマンの作品、2曲目はウクライナ人作曲家シルベストロフの作品を、ロシア侵攻一年の今日 、犠牲者を追悼して演奏する、と言ったような…あてにならないが。
まさに、アヴデーエワの真摯な音楽を通じて、2月24日に深く思いを致し、襟を正された気もした良い演奏会だった。
♪2023-035/♪みなとみらいホール-08